研究課題/領域番号 |
16K12281
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研究機関 | 人間環境大学 |
研究代表者 |
福田 由紀子 人間環境大学, 看護学部, 准教授 (00321034)
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研究分担者 |
杉浦 美佐子 椙山女学園大学, 看護学部, 教授 (40226436)
竹内 貴子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (70387918)
神谷 智子 人間環境大学, 看護学研究科, その他 (90440833)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 訪問看護 / 緊急ニーズ / 在宅開始期 / アセスメント / アウトカム指標 / 在宅看護 / 連携 |
研究実績の概要 |
在院日数の短縮に伴い、特に在宅ケア開始期は、療養者の身体・精神的問題の出現や医療処置、介護等の療養生活の問題が生じやすい。さらに、療養者と家族を多職種で支えるため連絡調整が重要となる。 開始期の緊急ニーズに適切に対応することは、在宅療養を継続し、生活の安定を図るための重要な条件となると考える。特に、今後、増加する高齢者の在宅療養を推進していくためには、開始期における訪問看護師による緊急ニーズへの予防と即時対応のためのアセスメントとケア評価ツールと緊急時対応における医師との連絡・調整体制が必要である。 本研究は、在宅療養者と家族を対象に、在宅ケア開始期における緊急ニーズ発生の訪問看護師の「電話対応」と「訪問対応」の実態を明らかにし、緊急ニーズ発生の予防と即時対応のためのアセスメントとケア評価ツール(ケア実施、教育、医療ケア等の連絡・調整を含む)を開発し、その効果を評価、有用性を検証する。さらに、在宅開始期の緊急時対応における医師との連絡・調整の方法を提案することを目的としている。 この開始期に必要なケアを十分かつ効果的・効率的に行うことによって、在宅ケア利用者の病状安定、健康維持が図れ、生活基盤整備を早期に実現することで、本人・家族の負担の軽減や療養生活の安定を図ることができる。 特に、今後は在宅ケアを受ける対象が増加し、高齢化が進む中で在宅療養を推進していくためには、開始期における緊急ニーズに即時対応できるアセスメントツールを提案することで、看護の質を保証することができ、早期の在宅生活を安定させるための医師との連絡・調整の方法を構築することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は在宅サービスの質の評価、訪問看護のアセスメントの枠組み、緊急ニーズ・緊急時訪問等の先行文献をまとめ、緊急ニーズのアセスメント表と在宅医療体制評価の調査表を作成した。アウトカム内容は、①OASISを参考に開発された日本版在宅ケアアウトカム票の緊急ニーズに関わる項目、②日本版 成人・高齢者用アセスメントとケアプラン(財団方式)自立をはかり尊厳を支えるケアマネジメント事例集 のアセスメント票の枠組みの緊急ニーズに関わる項目、③訪問看護のアセスメントの項目、④緊急電話と緊急訪問の文献レビューから緊急ニーズの視点となる「緊急ニーズのアセスメント」をもとに作成した。 人間環境大学研究倫理審査委員会の承認(承認番号:UHE-201618)を得て、調査対象となる訪問看護ステーションと調整、訪問看護師に研究参加を依頼し、調査の同意を得て、調査を実施した。 在宅ケア開始期(退院日から15日間)の療養者・家族(以後、利用者とする)の緊急ニーズへの訪問看護師の緊急対応(電話対応・訪問対応)の実態を把握し、利用者の緊急ニーズと訪問看護師のアセスメント内容から看護師のアセスメントの視点を明らかにすることを目的とした。 対象機関は、A県訪問看護ステーションのうち調査協力の承諾の得られた18施設である。 対象者は、2015年10月~2016年9月までの訪問看護ステーションの新規契約事例のうち、40歳以上の自宅療養者(以後、新規事例とする)で訪問看護初日(以後、訪問初日とする)から在宅開始の15日間に緊急対応が発生した97名である。調査期間は、2016年11月~2017年3月とした。現在は、アンケート結果の分析、まとめを進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の初年度は、緊急ニーズ、緊急時訪問等の先行文献、アメリカのOASISをもとにし開発された、日本版在宅ケア:アウトカム表(島内,2002)を参考に緊急ニーズのアセスメント表と在宅医療体制評価の調査表を作成した。研究倫理委員会の許可を得た後、退院日から15日間の療養者と家族に緊急ニーズへの即時対応の現状を200事例に調査する計画であったが、調査事例が97事例となった。これは、訪問看護ステーションの調査のため、協力いただけた施設も少なく、予定の半数の事例であるが、複数回の緊急訪問・緊急電話対応が行われており、事例は97名で調査は終了した。 計画では、平成28年度中に、調査結果から緊急ニーズへの即時対応の訪問看護師のケア実施、在宅医療体制のアウトカムを評価し、看護ケアと医師との連絡・調整のアウトカムへの影響要因を分析すると計画していたが、現在は、調査結果を集計し、分析中である。この分析を進め、平成29年度に計画しているケア実施、教育、医療ケアの連絡・調整を含むアセスメントとケア評価ツールを作成する。 さらに、アセスメントとケア評価ツールを在宅ケア開始期の実践100事例に適用(介入)して、緊急ニーズの予防と介入の実態調査を行い、有用性を検証し、実用性を高める計画を立てているため、第2段階研究の調査協力施設を多くしていくため、調整・依頼を行っていく。 島内節ら(2002):在宅ケア アウトカム評価と質改善の方法,医学書院.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の所要額1,600,000円で計画していたが、実支出額の累計額は1,201,275円であり、次年度使用額として398,725円が次年度使用額となった。 その理由は、平成28年度の研究計画では、第1段階調査として、事例を200事例としていたが、実際の調査では、約半数の97名となり、対象者が減ったことでの物品費・旅費・人件費・謝金のすべてが減額となり、次年度使用額となった。 さらに、調査後の分析が進んでおらず、まとめのための資料作りの物品費や学会発表のための旅費が支出できておらず、次年度使用額となっている。
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次年度使用額の使用計画 |
使用計画としては、平成28年度の計画であった調査の分析・まとめについての人件費・資料作りの物品費と平成29年8月に The 2nd Asia-Pacific Nursing Research Conference(Taiwan)での国際学会に発表予定であり、そのための旅費として使用予定である。また、平成28年度に研究の進行が遅れたために学会発表や学会誌への論文投稿等ができなかったこともあり、平成29年度には、学会発表や学会誌への論文のため人件費・資料作りの物品費、旅費を使用予定である。
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