研究課題/領域番号 |
16K12282
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研究機関 | 四日市看護医療大学 |
研究代表者 |
藤田 佳子 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 講師 (30341241)
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研究分担者 |
三好 陽子 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 准教授 (40340228)
押本 由美 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (90574088) [辞退]
春名 誠美 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 講師 (50761904)
井上 直子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (60609270)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知症 / 家族介護者 / ソーシャルキャピタル / 認知症サポーター |
研究実績の概要 |
本研究は認知症高齢者の家族介護者に対して、ほかの介護者との交流や社会資源(地域包括支援センター、認知症の人と家族の会、認知症サポーター)を活用しながら健康に生活を送ることができるソーシャルキャピタルの醸生を促すことを目的としている。本年度はコロナ禍であることや研究協力施設からの協力が得られなかったため、認知症サポーター養成を実施した。 研究成果として、看護学生37名の認知症サポーターを養成した。そのうちアンケート協力が得られた29名の学生を対象に、認知症の学習の有無別、認知症の人との関わりの有無別、認知症の情報に接する機会の頻度別に、認知症サポーター養成講座前後の肯定的態度や知識の差異について明らかにした。Wilcoxonの符号付順位検定を用いて分析した結果、大学で認知症の学習をしていない学生や認知症の人との関わりのない学生、認知症の情報に触れる機会が年数回以下の学生は、サポーター養成講座終了後に、肯定的な態度が有意に上昇し正確な知識を有意に習得することができていた。また、認知症の学習をしている学生や認知症の人との関わりのある学生、認知症の情報に触れる機会が月数回以上の学生は知識の差異はみられなかったが、サポーター養成講座終了後に、肯定的態度が有意に上昇していた。さらに、サポーター養成講座終了後に認知症の人を支えるために学生ができそうなことを自由記述してもらった結果、①認知症の人に対する声かけや会話、②認知症の人に対しての関わり方、③認知症の人のサポート体制の確認、④認知症に関する知識の獲得や普及、⑤認知症の人に合った環境づくり、の5項目が抽出された。 今後認知症サポーター養成講座に参加した学生は、認知症カフェに参加し、実際の認知症の人と触れ合う機会を設け、看護学生の認知症の人に対する態度・知識の変化や学習に対する意欲の変化について、対象群を設けて比較検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、認知症家族介護者にインタビューとアンケート調査を行う予定であったが、コロナ禍であり、研究協力施設内での施設内感染や家族介護者の研究協力拒否などもあり、施設や家族会からの研究協力を得ることが困難になった。そのため、新たな研究協力施設を開拓することに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
新たにA包括支援センター長から研究協力の許諾を頂いたため、本年度は昨年実施できなかった、家族介護者が抱えている問題点に関するアンケート調査の実施および家族介護者へのインタビューを行い、家族介護者が希望しているLTDプログラム開発のプレテストを実施する予定である。そのためA包括支援センター長を研究協力者として迎え、協働で研究を遂行していくように研究計画を変更した。A包括支援センター長には、対象者の選定やインタビュー内容・アンケート調査の助言、プログラム内容に関する助言を頂く予定である。 2022年度6~8月に家族介護者を対象に「介護上の困難点・不安点、介護における必要な情報」に関してインタビューを行い、内容分析を行う。9~10月内容分析を基に家族介護者にアンケート調査を実施しする。10~12月女性家族介護者の世代別LTDプログラムの試作を行う。2023年度1月~3月プログラムのプレテストを実施する予定で研究を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が発生した理由は、2021年度もコロナ禍のため研究協力施設より被験者の選定が困難であり、研究協力が困難であることが伝えられたためである。また、本年度は研究対象者を学内の学生を対象に認知症サポーター養成講座前後での知識・態度の差異を調査したため、研究費が発生しなかった。 今後は、A包括支援センター長から研究協力の許諾を頂いたため、A包括支援センターをフィールドとして研究を遂行していく予定である。2022年度6~8月に家族介護者を対象に「介護上の困難点・不安点、介護における必要な情報」に関してインタビューを行い、内容分析を行う。9~10月内容分析を基にアンケート調査を実施する。10~12月女性家族介護者の世代別LTDプログラムの開発を行う。2023年度1月~3月プログラムのプレテストを実施する予定で研究を遂行する。
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