研究課題/領域番号 |
16K12287
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
木村 裕美 福岡大学, 医学部, 教授 (00301359)
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研究分担者 |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
兼岡 秀俊 福岡大学, 医学部, 教授 (20161169)
西村 和美 福岡大学, 医学部, 助教 (20535033) [辞退]
西尾 美登里 福岡大学, 医学部, 助手 (20761472)
久木原 博子 福岡大学, 医学部, 教授 (50268950)
有田 久美 福岡大学, 医学部, 講師 (60526523)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地域 / 虚弱高齢者 / 認知機能 / ポジティブ情動 / 運動 / ケア / プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、虚弱高齢者の認知機能を客観的に評価し、認知機能低下による要援護状態の要因を解明する実証的研究と個別的継続可能な認知機能低下予防プログラムでクロスオーバー比較試験の介入実践研究である。平成29年度は以下の内容を実施した。 研究1:課題型バランスゲイトの運動学的メカニズムの解明と有用性の検証 対象:包括支援センターにて地域支援事業に参加している150人程度を対象にベースライン調査を実施。調査内容:年齢や教育歴、社会活動等のプロフィールを質問紙調査する。①身体機能評価:文部科学省高齢者用新体力テスト6 種目、筋力評価手)老研式活動能力指標を客観的に評価した。②認知機能評価:Mini-Mental State Examination、注意機能検を客観的に評価した。③精神心理機能評価:精神的健康度尺度と客観的指標としてバイオマーカー(唾液コルチゾール分泌)を測定した。なお、ベースライン調査と同様の評価を、研究1 の介入終了時に実施した。④課題型バランスゲイトトレーニング介入研究介入 対象者:研究1によって得られた結果から、120 人程度を対象者の中から抽出しランダムに振り分け、A 群60 人B 群60 人とした。介入方法:介入の期間は3か月としてクロスオーバー比較試験にて実施した。介入の頻度は、週2日、実施時間は1 時間程度実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、前年度(平成28年度)に予定していたが研究代表者である木村の体調不良にて実施できなかったが、対象のベースライン調査と研究1:課題型バランスゲイトの運動学的メカニズムの解明と有用性の検証を目的に課題型バランスゲイトトレーニング介入を実施しすることができた。評価は①身体機能評価、②認知機能評価、③精神心理機能評価:バイオマーカー(唾液コルチゾール分泌)測定等で実施した。 現在は、データ分析として、課題型バランスゲイトの参加率はχ2 検定、課題型バランスゲイト効果はStudent's t-testと多重比較検定ロジスティック回帰分析を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は研究2を予定している。 研究2:ポジティブ情動ケアの脳科学的メカニズム解明と継続的ケアへの応用 介入内容:膝と膝が触れ合う距離で、手掌で相手の背部や手を柔らかく包み込むようにゆっくり10 分間触れるいわゆるタクティールケアである。対象者および介入方法:研究1 のA 群60人B 群60 人を対象者とする。地域支援事業参加時に3か月間のクロスオーバー比較試験で1回10分間1週間に3 回実施する。評価および分析方法:生理学的心理学的指標として①体温、脈拍、血圧、②唾液中コルチゾール値③日本語版POMS 短縮版に効果を検討し、実施率はχ2 検定、効果はStudent's t-testと多重比較検定、ロジスティック回帰分析で評価を進めている。 今後、平成28年度に研究代表者である木村の体調不良にて、実施できなかった研究の進捗の遅れについて、当初の研究期間である平成28年度~平成32年度(5年間)で遂行できない場合は1年延長し、平成33年度までとする手続きをとる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は、研究代表者木村の体調不良のために研究を進めることが全くできず、繰越金が1,240,000円となっていた。平成29年度は、主に研究1について実施したが、物品費および旅費、人件費が少額となった。アルバイトを雇用する予定であったが、共同研究者の協力を得て実施できたため、人件費の支出がなかった。 平成30年度実施予定の研究2では必要となる機器を購入する予定であり、研究を進めるうえでアルバイトを雇用し人件費の支出が見込まれる予定である。
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