研究課題/領域番号 |
16K12291
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
横野 知江 (西澤知江) 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50579597)
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研究分担者 |
須釜 淳子 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (00203307)
小山 諭 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10323966)
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 皮膚・排泄ケア認定看護師 / 在宅褥瘡管理 / 同行訪問 / コンピテンシー |
研究実績の概要 |
2019年度は、在宅における皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCN)の役割及びコンピテンシーの明確化を目的に、在宅褥瘡管理経験が5年以上あり、かつ訪問看護師と同行訪問経験がある全国のWOCNにインタビューを行った。インタビュー内容は、①業務内容と責任、②在宅での褥瘡管理の実態、③在宅での褥瘡管理についてうまくいった体験とうまくいかなかった体験、④WOCNとして在宅で褥瘡管理を行う上で必要となる努力及び能力、⑤在宅褥瘡管理を取り巻く医療制度について思うこと、⑥在宅で褥瘡管理に関わる際の周囲のサポート状況、⑦在宅で褥瘡管理を継続する上でのモチベーションであった。その他、対象者背景、在宅褥瘡管理経験年数、特定行為研修履修の有無、褥瘡管理体制を組織化するための調整スキル自己評価尺度の評価を行った。在宅褥瘡管理経験が5年以上あり、かつ訪問看護師と同行訪問経験があるWOCN7名(以下在宅経験群)と対照群として在宅褥瘡管理経験が5年未満の方2名(以下対照群)にインタビューを行った。 現在、分析途中であるが、WOCNが所属する施設の環境の理解度が、在宅で円滑に活動できるか否かに影響していた。このことは、調整スキル自己評価尺度の結果からも示唆された。在宅経験群は、調整スキル自己評価尺度の5項目「対病棟管理者」「対スタッフナース」「対医師」「対管理者」「対褥瘡管理に関わるチームスタッフ」すべてにおいて、調整スキル発揮率が80-91%と高かった。一方、在宅褥瘡管理経験が5年未満では、調整スキル発揮率は70-82%であった。特に「対病棟管理者」は75%「対褥瘡管理に関わるチームスタッフ」79%であった。以上から、在宅で褥瘡管理を実施することと、所属施設の褥瘡管理体制の調整は何等かの関係があることが考えられた。現在分析途中であり、対象者数も少ないため、引き続き対象者を増やし検討予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度は、在宅における皮膚・排泄ケア認定看護師の役割及びコンピテンシーの明確化を計画していた。対象者を20名予定していたが、現在インタビューを実施した対象者は9名であり分析途中である。研究が遅れた理由は大きく2つ挙げられる。インタビュー対象者となる候補者が想定より少なく、リクルートに難渋したことである。また、COVID-19の影響でインタビューすることが困難になったことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
対象者数を増やすため、機縁法を使って対象者数を増やす。また、非対面によるインタビュー方法(ZOOMやSkypeなど)を導入する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に実施したインタビュー対象者が予定していた人数より少なかったため、インタビューを行うために計上した出張費が使用されなかったためである。今年度は、調査費及び成果発表のための論文投稿費用等に充てる予定である。
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