研究課題/領域番号 |
16K12293
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
奥野 ひろみ 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60305498)
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研究分担者 |
石田 史織 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (20710065)
横川 吉晴 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (50362140)
山崎 明美 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (60299881)
高橋 宏子 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (80195859)
五十嵐 久人 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (90381079)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 保健師新任期教育 / ケースメソッド / 実践との融合 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、トライアルとして1回3-4時間×2回の研修を3か所で実施した。研修の内容は、1回目:個別ケアについて(事例を用いて、個人家族の情報の整理・アセスメント・目標の設定・実施計画)。2回目:集団へのケアについて(個別の事例から発展させ、地域のアセスメント・目標の設定・計画の立案)とした。新任期(1~5年)の保健師計16名が参加した。そのうち研修前及び研修後の調査を行った12名のデータを用いて、研修の効果を分析した。自記式調査票を用いてWilcoxonの符号付順位検定を行った。 結果を以下に示す。5%有意差がみられた項目は「支援方法の理解」「個人家族の情報把握」「個人家族のアセスメント」「個人家族の支援のための目標設定」であった。10%の有意差がみられたのは「個人家族の情報整理」「個人家族から集団へのつながりを意識する」「個別支援から集団地域支援へと結び付ける思考」であった。 自由記載からは、個人家族のアセスメントの必要性を業務の中でおこないたい」や「アセスメントしたことをしっかり記録に書き残すことが必要だが、文章として表現することが難しい」「地域の現状からアセスメントし課題を見つけ出すことが必要」「この学びを活動にどう活かしてよいかわからない」といった意見があった。 研修の時間については7名がちょうどよい、5名が時間が足りないと回答した。研修企画者からのアドバイスは、11名が良かったという回答であった。 今回の結果から、概ね目標をクリアした研修となっているが、再度研修の意図(目標設定)と研修時間などを調整し、より効果の高く、自身の活動と融合させた研修内容を企画する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は研修の企画内容を検討する予定であったが、トライアルで研修を実施し、その結果を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に実施した研修内容を精査し、より現場の実践的な内容や現場の課題と融合させたプログラムへの質の向上を図る。具体的には新任期2.3年用プログラム、新任期4.5年用プログラムと、新任期の発達段階に合わせたプログラムの開発を行う。加えて、これらのプログラムを研修会として実施し、有用性を測定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研修後の、参加者から聞き取り調査のうち、3月末の研修会実施の聞き取り調査が行えなかったため、次年度予算額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度予算額は平成29年度請求額と合わせて、聞き取り調査の実施に使用するとともに、得られた成果の学会発表に使用する計画である。
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