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2017 年度 実施状況報告書

労働者の健康保持増進のための森林資源を活用した職域と地域が連携した健康支援の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K12294
研究機関広島大学

研究代表者

小林 敏生  広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 教授 (20251069)

研究分担者 張 峻屹  広島大学, 国際協力研究科, 教授 (20284169)
影山 隆之  大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (90204346)
安東 由佳子  長野県看護大学, 看護学部, 教授 (50314745)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード森林セラピー / 健康保持増進 / 労働者 / メンタルヘルス / QOL
研究実績の概要

2017年度は,1泊2日の滞在型の森林セラピーが労働者の心身の健康状態に与える効果について対象者を増やして検討した.2017年9-10月に2回開催した1泊2日の森林セラピーへ参加した生産年齢層(19~59歳)は24名で,昨年の参加者を加えた56名とし,44名を解析の対象とした(平均年齢41.2±12.3歳).
対象者のうち,抑うつ傾向有の者(K6≧5点)は17名(38.6%)であった.滞在中のPOMSの負の気分尺度は,1日目の森林セラピー前と比較して,2日目のセラピー前において有意に改善し,セラピー後にはさらに改善傾向を示した.循環機能については,収縮期血圧および脈拍が1日目に比べて2日目のセラピー後に有意に低下した.自律神経機能は,1日目のセラピー前に比べて2日目のセラピー後にLn HFは有意に上昇,Ln LF/HFは有意に低下した.本年度の参加者24名(平均年齢42.3±11.4歳)について,身体測定項目として,肩こり・腰痛の有無とその程度, 重心動揺検査,ファンクショナルリーチテスト(FRT)を実施し,18名を解析対象とした.「肩こり有り」と答えた人は16名(88.9%)で,肩こりの強さはセラピー前(59.4%)と比べてセラピー後(41.3%)で有意に低下した.また「腰痛有り」の者は9名(50.0%)で,腰痛の強さはセラピー前(38.9%)と比べ,セラピー後(21.1%)で有意に低下した.FRTについては,森林セラピー実施前後で変化を認めず,バランス機能は森林セラピー実施後には悪化傾向を示した.
1泊2日の森林セラピーによって,全体としては心身の健康保持増進効果が示された.また,肩こりや腰痛がある者においてはその程度を改善させたが,バランス機能については悪化する可能性が示唆された.現在は対象者を,抑うつの有無別に分けてその効果を解析中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度も昨年度に引き続いて1泊2日の宿泊型の森林セラピーを実施したが,実施日数および参加者数が計画よりもやや少なくなった.

今後の研究の推進方策

来年度はさらに対象者を増やした森林セラピーを実施し,抑うつの有無別に分けてその効果の相違を検討する.そうすることで働き盛りの労働者を対象とした余暇を利用した心身の健康保持増進活動として,森林資源を活用(森林セラピー)したより効果的な森林セラピープログラムの開発をめざす.

次年度使用額が生じた理由

本年度予定していた,森林セラピーの実施回数及び参加者が予定よりも少なかったため,必要経費や謝金などが予定よりも下回った.次年度は,森林セラピーの実施回数と対象者を増加させること,および国際学会での情報発信に助成金を使用する予定としている.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 宿泊型の森林セラピーが心理および生理機能に及ぼす効果―抑うつの有無別の比較―2017

    • 著者名/発表者名
      小林敏生,古屋敷明美,花岡匡子,八橋孝介,河原大陸,上岡はつみ,影山隆之,張峻屹,田淵啓二
    • 学会等名
      第90回日本産業衛生学会
  • [学会発表] The Effect of Forest Bathing on Psychological and Physiological Functions in Participants with Depressive Tendency2017

    • 著者名/発表者名
      Toshio Kobayashi,A Furuyashiki,M Hanaoka,K Yabase,D Kawahara,H Ueoka,T Kageyama,K Tabuchi
    • 学会等名
      he 3rd International Conference on Public Health (ICOPH 2017)
    • 国際学会
  • [学会発表] 宿泊型森林セラピー参加者の感想・評価の質的検討2017

    • 著者名/発表者名
      田淵啓二, 古屋敷明美, 小林敏生
    • 学会等名
      第76回日本公衆衛生学会総会
  • [学会発表] 移住の視点から大都市の持つべき条件を考える2017

    • 著者名/発表者名
      張峻屹
    • 学会等名
      日本土木計画学会

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公開日: 2018-12-17  

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