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2019 年度 実施状況報告書

ファミリー・バイオレンス予防のための地域参加型育児支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K12295
研究機関愛媛大学

研究代表者

藤村 一美  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (80415504)

研究分担者 飯田 加寿子  山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40403399)
大河内 彩子 (井出彩子)  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70533074)
木嶋 彩乃  山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70759670)
守田 孝恵  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00321860) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードマルトリートメント / 子ども虐待予防 / ファミリー・バイオレンス / ドメスティック・バイオレンス / 家族支援
研究実績の概要

本研究の目的は、乳幼児をもつ育児期にある家族に生じる子ども虐待、ファミリー・バイオレンスの予防、早期発見・対応を可能とする地域参加型育児支援システムを開発することである。
令和元年度は、昨年度に引き続き、地域において保健師・保育士等、子育て支援に携わる専門職がファミリー・バイオレンスの早期発見・早期対応を可能とする子育てに関する家族リスクアセスメント指標の開発・完成を目指した。アセスメント項目の精錬を行う過程において、保健師へのインタビューは終了したが、保育士へのインタビューから、子ども虐待の発見機能や発見前後のアセスメント機能が十分に発揮されにくいことや子ども虐待(疑いを含む)を発見しても、明確な根拠がない限り、保育現場は、相談・通告に対して躊躇していることが明らかとなった。そのため、保育士が無理なく用いることができるリスクアセスメント指標を開発する必要性が示唆された。
また、乳幼児期の子どもを持つ母親のマルトリートメントに対する体験と認識を明らかにすることを目的とした半構造化面接を実施した。結果として、子どものしつけに対する責任からマルトリートメントに至る可能性が語られたほか、子どもの行動に対する親の認知の歪みがマルトリートメントの発生に関係している可能性が示唆された。一方で、母親自身が内省し、子どもに対峙するほか、他の家族等に相談しフォローを得るなど出来ていることが、虐待に至らない要因であると推察された。
さらに、令和元年度は最終年度であることから、地域住民による子育て家族への見守りを可能とする地域参加型育児支援システムの開発を目指し、母子保健推進員や児童委員等を交えた検討会の開催を検討していたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、開催が延期となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

地域において看護職・保育士等、子育て支援に携わる専門職がファミリー・バイオレンスの早期発見・早期対応を可能とする子育てに関する家族リスクアセスメント指標の開発を目指す中で、日常的に育児支援を行う保育士に特化したリスクアセスメント指標の必要性が示唆されたことから、保育士が無理なく日常業務において用いることのできる家庭環境を含む虐待リスクアセスメント指標の開発を目指す。
さらに、地域住民による子育て家族への見守りを可能とする地域参加型育児支援システムの開発をめざし、その一環として母子保健推進員や児童委員等の地域住民が負担なく使用することができる子育てリスクアセスメントとそのための研修会・検討会の開催を行う予定であったが、コロナウイルス感染症対策のため、開催が未定である。

今後の研究の推進方策

保育士へのインタビューが新型コロナウイルス感染症のため、途中で頓挫している。場合によっては、電話インタビューやアンケート等に切り替え、インタビューの代替し、リスクアセスメント指標の完成を目指す。その場合は、倫理審査委員会の承認を得る予定である。保育士への質問紙調査と合わせて保健師への質問紙調査を行う予定としている。
地域住民による子育て家族への見守りを可能とする地域参加型育児支援システムの開発のための検討会・リスクアセスメント指標の研修会に関しては、開催が不可能な場合には、専門家会議を行うことも視野に入れる予定である。

次年度使用額が生じた理由

地域住民による子育て家族への見守りを可能とする地域参加型育児支援システムの開発をめざし、その一環として母子保健推進員や児童委員等の地域住民が負担なく使用することができる子育てリスクアセスメントとそのための研修会・検討会の開催を行う予定であったが、コロナウイルス感染症対策のため、開催が未定となった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 発達障害児・者の困り感の見える化を促進するための身体感覚の評価に関する文献レビュー2020

    • 著者名/発表者名
      大河内彩子
    • 雑誌名

      熊本大学医学部保健学科紀要

      巻: 16 ページ: 19-26

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 児童虐待予防に向けた「気になる親」への支援プログラム開発のための基礎的研究2020

    • 著者名/発表者名
      大河内彩子, 橋本 (小市) 理恵子, 藤村一美 ,金森 弓枝,喜田 昌子
    • 学会等名
      第8回日本公衆衛生看護学会
  • [学会発表] 支援者が「気になる保護者」の特徴と 支援のあり方に関する文献検討2020

    • 著者名/発表者名
      橋本(小市)理恵子、大河内彩子
    • 学会等名
      第8回日本公衆衛生看護学会
  • [学会発表] 子どもネグレクトに関する海外の介入プログラムに関する文献検討2020

    • 著者名/発表者名
      木嶋彩乃、大河内彩子、藤村一美
    • 学会等名
      第23回日本地域看護学会
  • [学会発表] 乳幼児期の子どもを持つ母親の育児におけるマルトリートメントに至る体験と認識 -インタビュー 内容の分析より-2019

    • 著者名/発表者名
      藤村一美、大河内彩子
    • 学会等名
      第78回日本公衆衛生学会
  • [学会発表] Pediatric dentist perspectives regarding children of concern (kininaru-kodomo: KK) in Japan: findings from hybrid concept analysis2019

    • 著者名/発表者名
      Ayako Okochi, Hiromi Funayama, Yoshinobu Asada
    • 学会等名
      18th International Congress of European Society for Children and Adolescent Psychiatry
    • 国際学会
  • [学会発表] 「気になる子ども」を地域で見守る子ども・青少年健全育成プログラムの開発2019

    • 著者名/発表者名
      大河内彩子
    • 学会等名
      第7回日本公衆衛生看護学会

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公開日: 2021-01-27  

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