研究課題/領域番号 |
16K12302
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
藤澤 まこと 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(移行) (70336634)
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研究分担者 |
黒江 ゆり子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(移行) (40295712)
高橋 智子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教 (50720174)
加藤 由香里 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師(移行) (60763555)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 退院支援 / 人材育成 / 地域包括ケアシステム / 利用者ニーズ |
研究実績の概要 |
地域包括ケアシステムの中での医療サービス利用者のニーズは、自身の意思決定に沿った退院後の療養生活が保障されることであり、医療機関における退院支援の質向上が責務となる。そこで本研究では、地域包括ケアシステムにおける医療機関の退院支援の現状と課題を明確化し、その課題解決の方策も含む「利用者ニーズを基盤とした退院支援の質向上に向けた人材育成システム」を構築し、地域包括ケアシステムの中での医療機関の退院支援の質向上を目指す。なお本研究における当該人材育成システムは、「ファーストステージ」として医療機関の看護職者の退院支援の基礎力の育成のための「退院支援研修プログラム」の施行、「セカンドステージ」として自部署の退院支援システムを構築できる人材育成を含む 平成28年度は研究1の地域包括ケアシステムにおける医療機関の退院支援の現状・課題の明確化に取り組んだ。 平成29年3月までに、各医療機関の退院支援の現状・課題を把握するための質問紙を検討・考案した。質問紙調査の対象を、県内102の医療機関の看護部長、退院支援担当部署看護職、一般病棟看護師、地域包括ケア病棟看護師とし、看護部長あてに3月末に発送した。質問紙調査の内容は、看護部長には病院の概要、院内の退院支援体制、退院支援充実に向けた取り組み・課題、スタッフ教育等を含めた。スタッフには、退院支援内容、患者・家族への支援の困難点、スタッフ教育の困難点、充実に向けた取り組み等を含めた。 5月25日現在で、看護部長26名、退院支援担当部署看護師23名、一般病棟看護師23名、地域包括ケア病棟看護師10名より回答を得た。また同時に退院支援担当部署看護職・地域包括ケア病棟看護師数名よりインタビュー調査の同意が得られた。今後、質問紙調査結果の分析と、インタビュー調査・分析を行い、地域包括ケアシステムにおける医療機関の退院支援の現状・課題を明確化する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地域包括ケアシステムにおける医療機関の退院支援の現状・課題の明確化のための質問紙の考案、発送準備に時間がかかった。そのため発送時期が年度末から新年度になったため、返送期間を長く設けた。したがって28年度内には質問紙調査結果の分析には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、まず研究1の質問紙調査結果の分析と、インタビュー調査・分析を行い、地域包括ケアシステムにおける医療機関の退院支援の現状・課題を明確化する。またインタビュー調査時に、本研究の趣旨を説明し、モデル医療機関としての取り組みの可否を確認し、了承が得られた医療機関をモデル医療機関と設定する。そして研究2として、モデル医療機関の外来患者へのインタビュー調査を実施し、利用者ニーズを明確化する。そして退院支援の課題、利用者ニーズを踏まえた「利用者ニーズを基盤とした退院支援の質向上に向けた人材育成システム」を検討・考案する。 平成30年度にはモデル医療機関において、研究3の退院支援の課題・利用者ニーズを踏まえた「利用者ニーズを基盤とした退院支援の質向上に向けた人材育成システム」を試行し、その成果・課題を明確にして当該システムを改善する。 平成31年度以降に研究4である複数の医療機関において「利用者ニーズを基盤とした退院支援の質向上に向けた人材育成システム」を検証し、普遍化する。 本研究の今後の推進にあたっては、調査結果の分析を滞りなく進めること、モデル医療機関が決定したら、医療機関の関係者・研究協力者等との調整を円滑に進めることを念頭において進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
地域包括ケアシステムにおける医療機関の退院支援の現状課題の明確化のための質問紙調査の開始時期が遅れたため、データ入力等の人件費、インタビュー調査のための交通費等の支出がなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、質問紙調査結果の入力、看護師へのインタビュー調査の入力、モデル医療機関の外来患者へのインタビュー調査結果の入力等が予定されており、人件費の使用が必要となる。また複数個所のインタビュー調査を、研究者2名ずつで出向くため旅費の使用も必要となり、使用する予定である。また関連学会にも報告・参加するためその際に旅費も使用する。
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