• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

家族も共有できる在宅重症心身障害児における体調アセスメントツールの開発および評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K12305
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

古株 ひろみ  滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (80259390)

研究分担者 竹村 淳子  大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (00594269)
泊 祐子  大阪医科大学, 看護学部, 教授 (60197910)
流郷 千幸  聖泉大学, 看護学部, 教授 (60335164)
玉川 あゆみ  滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (70732593)
川端 智子  滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (10599666)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード重症心身障害児 / アセスメントシート / 家族と共有
研究実績の概要

本研究の目的は、看護職と学校内で働く専門職や保護者が共有して使える医療的ケアが必要な子どもの体調アセスメントシートの開発である。
本年度は、第一段階として、専門職、特に5年目以上の学校看護師が、医療的ケアの子どもに対して実感している体調判断となる指標の把握を行った。人工呼吸器(mechanical ventilation)や、痰の吸引や胃ろう(Gastrostomy tube feeding)などといった医療的ケア(medical care)が必要な重度心身障害児が登校している学校の中で、学校看護師は毎日、ケアを実施している。そこで、体調アセスメントシートの開発の基礎的資料として子どものケアを担っている学校看護師が持つ、体調管理におけるアセスメントの視点を明らかにすることを目的とした。
支援学校に5年以上勤務する中堅の看護師10名に、学校で医療的ケアのある子どもへの学習場面におけるケア活動の内容を面接調査にて収集した.そのデータについて、看護師の子どもの体調アセスメントに視点をおいて分析を行った。その結果、最初に、看護師は、昨日と何か違う感じを把握していた。そして、バイタルサイン(Vital signs)、やSPO2の値といった測定可能な値の判断とともに、いつもの日常の経験から、子どもの機嫌や笑顔などの表情、顔色、呼吸音、発汗からの変化を観察していた。それらの情報はケアの実施において、痰吸引の実施をどうするかなどの判断の根拠と、さらに、その情報は予防のためのケア実施でのアセスメントにも繋がっていた。具体的には予防的なケアとしては、子どもの音に対する反応や目つき等のてんかん発作の前駆症状の観察や、筋の緊張を誘発しない姿勢を考えた、体位交換の判断に繋げていたり、その後の観察点を判断する指標にと繋げていた。この成果については、海外の学会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第一段階として、専門職、特に5年目以上の学校看護師が、医療的ケアの子どもに対して実感している体調判断となる指標の把握を行った。その成果については、2017.3.9 香港で開催されたThe 20th East Asian Forum of Nursing Scholarsにおいて発表した。
現在は、国内や海外文献検討を行い、この成果と共に、他の専門職のデータ収集を行う予定である。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策は、平成29年度については、平成28年度の調査結果に基づき、新たに文献検討を重ねインタビューガイドを作成し、インタビュー調査(科研費購入予定のICレコーダー利用)を実施する。実施対象者は、訪問看護師の方にインタビューを行う予定である。これらの結果をもとに新たに観察項目の枠組みを作成する。また、療育通所施設や保育園の保育士や特別支援学校教員の判断指標も把握することで、上記の観察項目の枠組みの追加修正を行う。そのためには、在宅重度心身障害児が通院している医療施設や療育施設の保育士および、障害児を受け入れている城南保育園への保育士や特別支援学校の教員へのインタビュー調査(科研費購入予定のICレコーダー利用)結果も加えてデータを分析(科研費購入予定のPCソフト)する予定である。データ分析ソフトの使用に際しては、SPSS主催の研修会に参加し、確実な分析方法を習得する予定である。また必要時、保育園での様子について参加観察も実施する予定である。なお、対象者については、インタビューで想定する重症心身障害児は、表情豊かな子どもの捉え方も加えて、インタビュー対象者へのインタビューガイドを変更する予定である。この成果については、看護研究学会または、小児保健学会もしくは、The 22th East Asian Forum of Nursing Scholarsなどで発表する予定である。その後は、平成29年度で得られた判断指標の枠組みをもとに、母親・家族へのインタビュー調査を実施し、判断指標の枠組みを完成させる。そして、平成30年度では、医療的ケアが必要な子どものリアルタイムの画像を基に、表情認識センサーによる客観的評価を活用したアセスメントツールの開発と評価を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

計画が遅れている訪問看護師の方へのインタビューや文献検討などの予算が繰越たことと、フィジカルアセスメントに関する物品の購入(DVDなど)も繰越したため。

次年度使用額の使用計画

IBM SPSS Statistics 1PAC,テキストマイニングソフト 1PAC,IBM SPSS Text Analytics for Surveys (アカデミック)1PAC,IBM SPSS AMOS 1PAC,PCの購入および学会発表の旅費や、インタビューデータの入力費用や謝礼などを予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Assessment Focus Points in the Health Management of Children with Severe Motor and Intellectual Disabilities by Nurses Working at Special Needs Schools in Japan2017

    • 著者名/発表者名
      Hiromi Kokabu,,Tomoko Kawabata, Ayumi Tamagawa ,Yuko Tomari, Junko Takemura, Chiyuki Ryugo
    • 学会等名
      The 20th East Asian Forum of Nursing Scholars
    • 発表場所
      Hong Kong
    • 年月日
      2017-03-09 – 2017-03-10
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi