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2017 年度 実施状況報告書

海外派遣労働者の配偶者における生活適応状況の特徴の明確化とコミュニティ支援の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K12314
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

青柳 美樹  国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (60334976)

研究分担者 高山 裕子  国際医療福祉大学, 成田看護学部, 講師 (00637803)
多賀 昌江  北海道文教大学, 人間科学部, 准教授 (20433138)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード海外派遣労働者帯同配偶者 / ストレス反応 / 経年変化 / コミュニティ参加
研究実績の概要

課題1に対し、経年変化調査のためのインターネット調査を実施した。また、統計分析に見合うサンプルサイズの確保のため、再度日本人病院、現地でのボランティアグループ等に依頼し、Web調査及び回答用紙の直接配布を行った。分析方法は、配偶者のストレス反応については対応のあるt検定を実施した。その後、配偶者を、渡航後1年未満13名、1~3年未満33名、3~10年未満36名、帰国者1年未満33名の4群に分け、Wilcoxon符号順位検定を実施した。滞在期間1年以上の配偶者におけるコミュニティ参加状況及び相談者の状況の変化については、サンプルサイズが小さいため、統計学的分析は実施しなかった。
2016年及び2017年の配偶者の平均のストレス反応得点は、すべての項目において「普通」に分類された。また、2016年と2017年のストレス反応得点にも有意な差はなかった。更に、各年のストレス反応得点において、4群間にも有意な差はなかった。配偶者の各群での2016年と2017年のストレス反応得点において有意な差があったのは、3年以上滞在の配偶者における抑うつ感のみだった。1年以上滞在の滞在者において、両年とも相談者は夫が最も多かったが、2016年よりも2017年は微減していた。一方で、近所に住む日本人への相談は、増加していた。コミュニティ参加状況では、2016年よりも2017年の参加人数が、日本人友人との付き合いも含めて減少していた(7月日本渡航医学会学術集会で発表予定)。
インターネットHPは開設した。が、情報の提示については現在検討段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Web調査においては、回答協力者を得ることが難しかったため、今年度継続調査と共に新たな回答者を開拓した。よって、彼らについては、継続調査は実施できていない。サンプルサイズが少ないのが現在の課題である。
インターネットのHPサイトは作成した。提供情報の収集整理がまだ不十分であるため、研究協力者と検討を行っている。Facebookについては、現地配偶者の安全管理の観点から再検討が必要であろうと判断し、まだ実施していない。
ワールドカフェ形式のセミナー・女子会の開催は、当初お願いをしていており同行できそうな日程連絡をとの話をいただいていたJOMFから、最終的に難しいとの連絡を受けた。しかし、協力を得られそうな現地の帯同配偶者でもある臨床心理士、看護看護職で構成するボランティア組織と相談を始めた。平成30年度は、実施に向けて検討を行っていく。平成30年11月及び平成31年2月にセミナー女子会を予定している。

今後の研究の推進方策

経年変化のWeb調査3年目を実施する。12月に実施予定である。継続回答者が増えるように、また新規の回答者が得られる方法を見直していく。日本人学校・補習校の協力を得ることができないので、スノーボール方式に広告をお願いし、回答者の増加を図る必要がある。
今年度、I国において、2~3回のセミナーを実施予定である。現在、現地で組織された看護職と臨床心理士の資格を有する帯同配偶者グループとメール打ち合わせを実施している。11月、2月にセミナーを実施予定である。実施内容及び評価方法の詳細については、現在検討中である。評価については、ポジティブ心理学とコミュニティ心理学の側面から測定できるものを現在再度検討している。
配偶者が活用できるインターネットコミュニティについては、情報収集と内容の調整を行っていく。FaceBookの利用を当初検討していたが、なりすましや海外生活での安全管理の観点から可能かどうか見直しを行っている。ブラジルのように活用してる地域もあるため、意見収集を行うなど、活用における課題や問題が生じた時の対応について確認していく予定である。
skypeを使ったコミュニティ活動は、今後モデル国を探し、実施を検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

計画の遅れによって、平成29年度に現地で実施の予定であったワールドカフェ形式のセミナー・女子会の開催が平成30年度に開催予定となった。そのため、渡航費用及び実施にあたっての会場費等が、平成30年度使用として持ち越しとなった。30年度に、渡航費用、現地会場費、茶菓代として使用予定である。
来年度は、これに加えてインターネット調査会社による継続調査を実施予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] 夫の海外赴任に同行する妻のメンタルヘルス2018

    • 著者名/発表者名
      鈴木清美、青柳美樹
    • 学会等名
      日本公衆衛生看護学会第6回学術集会
  • [学会発表] Factors Based on Length of Stay Related to Stress Response of Japanese Spouses Accompanying Husbands Posted Overseas2018

    • 著者名/発表者名
      青柳美樹、髙山裕子、多賀昌江、波川京子
    • 学会等名
      The 32nd Triennial Congress of The International Commission on Occupational Health (ICOH)
    • 国際学会
  • [学会発表] Community Activities Factors Related to Stress Reactions of Spouses Accompanying Husbands Posted Overseas2017

    • 著者名/発表者名
      青柳美樹、多賀昌江、髙山裕子、波川京子
    • 学会等名
      The 15th Coference of The International Society of Travel Medicine
    • 国際学会
  • [学会発表] 夫の海外赴任に同行する妻のキャリア2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木清美、青柳美樹
    • 学会等名
      日本質的研究学会
  • [学会発表] 海外赴任の夫に同行する配偶者が感じる困りごと2017

    • 著者名/発表者名
      青柳美樹、髙山裕子、多賀昌江、波川京子
    • 学会等名
      グローバルヘルス合同大会(日本渡航医学会)

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公開日: 2018-12-17  

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