研究課題/領域番号 |
16K12326
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
三瓶 舞紀子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, (非)研究員 (70550820)
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研究分担者 |
藤原 武男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80510213)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 子ども虐待 / 第一次予防 / 動機づけ面接 |
研究実績の概要 |
本研究では、支援を拒否することが多い、貧困や若年など児童虐待の社会的リスク要因をもつ妊婦へ、相手を望ましい方向へ動機づける「動機づけ面接法」を用いて保健師が妊娠期から家庭訪問をすると、妊婦健診や福祉サービスを受けるといった①被支援行動が増えるか、また、その結果として②生まれた子どもへの母親の虐待行動が減るかを主要評価として検証することを目的とする。さらに、副次的評価として、子どもが生後4か月時の母親のメンタルヘルスに良い影響があるか、同時に、児童虐待のリスク要因となる低出生時体重等の出生時異常と出生後4か月までの発育・発達不良を減らすか、を検証する。 平成28年度は、動機づけ面接の母子保健担当者への保健師への介入プログラム作成及び面接評価のためのMotivational Interviewing Treatment Integrity(MITI)の評価方法の習得をした。 動機づけ面接の介入プログラムは、国内では本年度新たに出版された文献等のアップデート、及び他分野ではあるが動機づけ面接の介入経験のある研究者と教育期間及び内容についてディスカッションを行った。国外ではカナダで行われたMotivational Interviewing Network of trainersの世界大会へ参加し同分野での介入経験のある研究者・実践者及び他分野で別の方法で介入を行った経験のある研究者とディスカッションをした。ディスカッションを元に教育内容に母子保健領域に生じやすい問題への対応方法を加える等内容の変更・教育方法について精緻化した。 面接評価の方法として米国で行われたMITI研修へ参加した。また、国内のコーディング組織の評価者としてコーディングの経験をつむことで信頼性係数が向上した。評価及びMITIを用いたスーパーヴィジョンを行う準備ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の目標は、①介入プログラム開発及び精緻化、②介入対象の行政との調整であった。①についてはすぐにでも介入が可能な状況である。しかしながら②について介入開始までに若干の課題を有している。 ①動機づけ面接の介入プログラムは、国内では本年度新たに出版された文献等のアップデート、及び他分野ではあるが動機づけ面接の介入経験のある研究者と教育期間及び内容についてディスカッションを行った。国外ではカナダで行われたMotivational Interviewing Network of trainersの世界大会へ参加し同分野での介入経験のある研究者・実践者及び他分野で別の方法で介入を行った経験のある研究者とディスカッションをした。ディスカッションを元に教育内容に母子保健領域に生じやすい問題への対応方法を加える等内容の変更・教育方法について精緻化した。 面接評価の方法として米国で行われたMITI研修へ参加した。また、国内のコーディング組織の評価者としてコーディングの経験をつむことで信頼性係数が向上した。評価及びMITIを用いたスーパーヴィジョンを行う準備ができた。
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今後の研究の推進方策 |
予定とおり介入群保健師への動機づけ面接教育実施・調査対象者の評価指標データの収集を行う。 調査対象者は、平成29年7月~11月に妊娠を届け出て、かつ、リスク要因の内容と数から自治体で特定妊婦と判定された妊婦をハイリスク妊婦(N=500)とする。尚、主要評価指標の児が生後4か月時点の母親の虐待行動は15%の発生率であり、有意差α=0.05として必要な被験者数は介入群210対照群210の計420であるが、脱落を考慮し、被験者数は計500としている。 行政との調整がうまくいかなかった場合に備えて、他の2つの市区の行政担当者へ依頼をしている。いずれかで行う予定である。介入及び評価方法については、行政の実情に合わせ研究の信頼性を担保しながらフレキシブルに行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね計画通りの予算施行である。端数分596円は無理に予算消化せず、次年度へ繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
介入プログラム打合せ及び介入時の諸経費として使用する
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