精神障害者の長期的な育児支援の支援技術を検討するため、複数のインタビュー調査を実施した。①支援技術を把握するために支援する保健師7名と児童福祉の専門職8名に質的記述的研究を行った。信頼関係を築くまでの支援が最も難しく、また、最も重要であることが明らかになった。また、パーソナリテイ障害や依存症の知識、精神医療との連携の重要性が示唆された。英語論文2本、著書1冊を記した。次に、②成人した子どもの立場に関しては、生活体験を明らかにするために6名にグループインタビューを行い、質的記述的に分析した。その結果、ヤングケアラー役割などが明らかになり、疾患の治療や支援によって改善しうることが見いだされた。日本語論文1本が公表された。③成人した子どもの立場のうち、自身も母親になった娘4名にインタビューを行い、質的記述的に分析した。その結果、自身が育児をする中で親への理解が進むことや、妊娠前からの早い段階から不安を取り除く必要性が示唆された。日本語論文1本が公表された。④健康な配偶者10名へのインタビューを実施し、質的記述的に分析した。その結果、配偶者が将来に向けて自分の人生を考えることが重要であった。日本語論文1本が公表された。⑤精神障がいを持つ当事者11名にインタビューを行い、質的記述的に分析した。その結果、孤立の中で育児をする姿や育児を通した成長が見いだされた。日本語論文1本投稿している。⑥精神障害当事者の恋愛と結婚について当事者と本を作成した。出版予定である。
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