研究課題/領域番号 |
16K12338
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
玉崎 章子 鳥取大学, 医学部附属病院, 准教授 (90444629)
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研究分担者 |
西村 洋子 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (30595153)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 学校看護師 / リスク管理 / 在宅人工呼吸器 / 排痰補助装置 / 多職種連携 |
研究実績の概要 |
本研究は、特別支援学校において人工呼吸器装着等の高度な医療的ケアを必要としながら学ぶ児童生徒が増加する中で、病院とは異なる教育の場で看護を行う学校看護師に対する医療的ケアやリスク管理に対する教育プログラムをインストラクショナルデザインに基づき構築し、実践、評価することを目的とした研究である。 平成28年度は、鳥取県内の特別支援学校3校に勤務する学校看護師27名、養護教諭6名、教員200名および通学する児童生徒の保護者165名に対して、教育現場で医療的ケアを実施する際の課題についてアンケート調査を行い、結果を分析した。 アンケート回収率は、学校看護師52%、養護教諭67%、教員40%、保護者33%であった。看護師に対するアンケートでは、吸引、吸入、注入などの基本的なケアに対する手技には自信があり、研修ニーズはなかったが、在宅人工呼吸器、排痰補助装置の使い方といった高度医療機器に関する研修ニーズが高かった。全職種で共通して、学校看護師、養護教諭、教員、保護者、医療機関との連携の取り方、緊急体制マニュアルの作成、リスク管理に関する研修ニーズが高かった。 医学的知識や機材の使い方に関する研修のみではなく、多職種連携やリスク管理を想定したシミュレーション教育の必要性があると考えた。学校看護師のみへの研修ではなく、教員、養護教諭、医師等が参加した多職種連携教育を基盤とした研修プログラムの構築が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート調査を解析することで医療的ケアの問題の明確化と現状分析を行うことができた。その結果をもとにした研修プログラムと評価方法の設計が年度内に実施できなかった。アンケート調査を実施する時期が遅かったことと、当初想定していた学校看護師への研修ではなく、教員や養護教諭を含めた多職種連携教育の必要性が出てきており、さらなる研修プログラムと評価方法の検討が必要となったためと考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、研修プログラムと評価方法の設計を行い、学校看護師に加え、教育に関連する多職種への研修プログラムを実施する。研修プログラム実施後に作成されたアクションプランの内容をテキストマイニングで分析し、学習成果の検討を行う。平成28年度に実施したアンケート調査について学会で成果発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
看護師用、教員用、養護教諭用、保護者用のアンケート配布および、看護師用、教員用、養護教諭用アンケートの回収も鳥取県教育委員会特別教育支援課からの協力が得られた。その結果、アンケートの送付および回収に必要だった郵送費が少なくてすんだためである。
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次年度使用額の使用計画 |
研修プログラムの評価項目を検討する。多職種連携教育を基盤とした教育プログラムを構築し、鳥取県内の会場で研修会を実施する。 平成28年度に実施したアンケート結果を国内学会で発表するために旅費を使用する。 アンケートの結果から看護師への研修ではなく、教育に携わる多職種への多職種連携教育の必要性があるため、研修会の参加人数が多くなることが想定される。繰り越した金額は、教材等の事務用品として使用する。
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