研究課題/領域番号 |
16K12342
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (30279624)
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研究分担者 |
佐藤 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80283555)
細谷 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60334182)
石川 志麻 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 講師 (50598919)
杉本 健太郎 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (80724939)
宮澤 早織 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (80749557) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 保健師 / リーダーシップ / マネジメント / 災害 |
研究実績の概要 |
保健師活動におけるリーダーシップ発揮を促進するガイドを、保健師活動の中から導出するため、保健師へのインタビューを重ねた。その際、本研究で整理した「リーダーシップ発揮」の概念:「リーダーシップ行動は、リーダーシップを発揮した者が置かれた状況に依存する」を重視し、災害時の保健師活動におけるリーダーシップ発揮を焦点とした。 災害時の保健活動においてリーダーシップが発揮されるためには、保健師活動のビジョン・理念および、それらを具現化するための方法(優先順位)を有機的に理解していることが必須の基盤であると考えられた。同時に、そのビジョン・理念・活動方法(優先順位)の本質的共通理解がなされていない者同士では、チームを組むことができず、協働およびシェアードリーダーシップは実現されないことが明らかになった。更に、そこでは感情的対立が生じ、その後の活動に影響することも明らかになった。 併せて、新たに公表された文献の検討を行い、関連概念の更新を行った。そこでは、組織運営上の権限とは関係なく実行されるリーダーシップスタイルとして、技術だけでは解決しない「適応的挑戦課題」に対して関係者の意識や価値観を状況に適応させるための働きかけを行うこと(適応型リーダーシップ)と、課題や解決方法が不明確な状況下で、仲間の長所と短所を組み合わせたチームの総力で網羅的な課題抽出と対応を引き出すための働きかけを行うこと(共有型リーダーシップ)が、保健活動において有効であること。共有型では、リーダーとフォロアーの役割が時間経過とともに変化する可能性があり、シャードリーダーシップ発揮には、各メンバーがチーム志向を持ち、かつリーダーシップスキルを持っていることが前提とされており、リーダーシップ発揮を促進するガイドにおいて、時間軸を考慮する必要が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の感染拡大により、全国的に研究活動が制限されたこと、および保健所・保健センターに所属する行政保健師は激務が続くことになったため、倫理的配慮としてインタビュー調査を自粛したことから遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
Web会議システム等を活用し、行政保健師を対象にしたインタビューを継続する。 調査件数の急増は見込めないため、事例研究方法も併用しながら、そこにある原理原則やリーダーシップ発揮に係る要素を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に、行政に所属する保健師へのインタビューを予定していた。しかし、COVID-19の国内感染拡大の繰り返しに伴う活動自粛および、調査対象者である行政保健師がCOVID-19関連業務の主担当であり、倫理的配慮から調査自粛した。その結果、調査に係る謝礼や旅費、データ整理・分析に係る費用が執行されず次年度使用額が生じた。 今後、全国的な活動制限解除を受けて、調査を開始する。
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