研究課題/領域番号 |
16K12348
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
谷山 牧 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (40413166)
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研究分担者 |
山下 留理子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (90380047)
保母 恵 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (20757603)
藤田 千春 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (70383552)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 生活保護 / 生活困窮者自立支援 / 就労支援 / 健康特性 / 就労準備支援 / 自立 / 福祉から就労 |
研究実績の概要 |
国内外の先行プログラム調査として、京丹後市の就労準備支援事業、米国カリフォルニア州CalWORKs視察を行った。京丹後市では伴走型支援を通じて本人が意識していない問題の明確化を行い、不足している点を充足させることを心がけた支援を提供していた。身体的、精神的、発達などに課題のある対象者のケアについては、臨床心理士、保健師とも連携をとり、丁寧にアセスメントを行った上で支援を行っている。 米国カリフォルニア州では子どもを有する困窮家庭に対する福祉サービスであり、米国全体で行われているThe temporary Assistance for Needy Familiesのカリフォルニア版の視察を行った。このプログラムは、貧困状態にある親の就労準備を促進することにより、福祉サービスからの脱却を図ることを目標としている。就職が困難な場合、その原因を評価し、必要に応じて教育プログラムや、就労準備プログラムに参加することもある。プログラム期間中は子どものケアや交通、就労に必要な経費の支援を受けることが可能であり、就職活動に集中できる。 両者に共通するのは、対象者の就労に向けた課題のアセスメントを丁寧に実施し、その課題を取り除くためのサービス提供を行っていることであり、今後構築する介入モデルにも含めていくべきプロセスであると考える。 また、就労支援を受けている生活保護受給者/生活困窮者自立支援法の対象者、計31名に対し、就労意欲に影響を与える健康特性を明らかにすることを目的としてインタビューを実施した。現在、身体的、精神的、社会的な健康特性の明確化に向けて質的分析を行っている。生活困窮者インタビューの結果から、就労準備を行う生活困窮者の特性を明らかにし、先行プログラムの内容も参考にして介入モデルの構築を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内外の先行プログラム視察について、計画通りに実施することができた。 就労支援を受ける生活困窮者へのインタビューは、当初の予定では生活困窮状態から自立をした当事者を対象とし、自立へ影響を与えた出来事や支援を明確化することを目標としていたが、生活保護廃止となった対象者へのアクセスは困難であることから、現在就労支援を受けている生活保護受給者/生活困窮者自立支援法の対象者に対してインタビューを実施した。個々の協力者が有する課題が多岐にわたることから、概念化の過程が計画していたよりも時間がかかっており、次年度も継続して分析を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、生活困窮者インタビューの結果から、就労準備を行う生活困窮者の特性を明らかにし、先行プログラムの内容も参考にして介入モデルの構築を行う予定である。 当初は集団を対象としたプログラム開発を計画していたが、生活困窮者の有する健康課題が多岐にわたるため、課題に応じた複数の介入モデルを構築する必要があると考える。 介入モデル構築にあたっては、インタビュー協力者である就労支援を受けている生活保護受給者/生活困窮者自立支援法の対象者からの意見も求め、当事者のニーズに沿うモデルを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューの録音データからのトランスクリプト作成依頼が遅れたため、次年度に依頼することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の早い段階でインタビュー録音データのトランスクリプト作成を依頼する。
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