研究課題/領域番号 |
16K12349
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
長弘 千恵 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (00289498)
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研究分担者 |
小笹 美子 島根大学, 医学部, 教授 (10295313)
仲野 宏子 国際医療福祉大学, 福岡看護学部, 助教 (70625889)
原田 広枝 国際医療福祉大学, 福岡看護学部, 教授 (60380383)
外間 知香子 琉球大学, 医学部, 助教 (80742965)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 乳児家庭全戸訪問 / 不適切養育 / 聞き取り調査 / 家庭訪問 / ガイドライン |
研究実績の概要 |
本年度は初年度であり、研究概要を研究分担者、協力者とともに研究目的、役割分担についてグループで確認し、研究協力者の確保に努めた。 本年度は乳児家庭全戸訪問事業の現状を把握することが目標であり、そのため聞き取り調査の対象となる自治体保健師を発掘するための準備を行った。 ①乳児家庭全戸訪問事業の現状に関する文献を収集し、精査し、研究の方向性を再確認することで、明らかな点と明らかでない点をまとめ、報告書に記述した。 ②本研究の目的である、「乳児家庭全戸訪問において不適切養育でないと判断され事後に虐待の疑われた事例の現状と課題を明らかにする」であるが、このような事例と関わったことのある調査対象者把握は、かなり困難であった。9月、1月、2月と保健師、助産師対象の研修会を開催し、「保健師がこども虐待支援に関わった頻度と対応に関する調査」の結果報告を行いながら対象者の把握に努めてきた。同時にこれらの研修会では、看護職がかかわることで虐待を防ぐことができた事例についての情報も得られた。 ③共同研究者とともに保健師がこども虐待支援に関わった頻度と対応に関する研究結果を2国内学会と1国際学会で報告した。 ④乳児家庭全戸訪問事業の訪問者は看護職以外の福祉職や保育士など多種が担当しているが、本研究の目的のひとつである職種間の違いについては先行研究においても未だ十分な検討がなされておらず、また今回の調査対象者(対象自治体)が把握できていない状態で、今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れとしたのは、当初計画のタイムスケジュールとの関係においてであるが、初年度計画の先行研究の把握はできており、研究目的の到達は可能と思われる。やや遅れた理由は、以下の2点である。 ①職場を移動したことで、研究フィールドとの地理的距離が生じたことや新職場環境に不慣れから生じる時間の制約など ②前職場の研究フィールドの担当者の移動により、新規担当者への説明等に時間がかかること。しかし、新職場での理解が得られ研究フィールドの調整を始めている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、乳児家庭全戸訪問事業の実態を把握するための研究対象者を把握、協力依頼、聞き取り調査を実施することが課題である。特に、看護職以外の職種の把握は困難であり、九州、四国地区を中心に研究分担者と協力のもとに実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の計画では、文献検討および聞き取り調査が到達目標であった。文献検討はある程度進み、文献を取り寄せるための費用を捻出した。 当初計画していた研究対象者の把握のために研修会等を行ったが、比較的費用をおさえることができた。しかし、調査対象者の把握がおくれ、聞き取り調査ができなっかったことで、残額が多くなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、郵送により全自治体に協力を呼びかけ研究協力者を増やすこと、そのためには郵送費、印刷費が必要である。また、把握できた対象者に聞き取り調査を実施するため、旅費、物品費、謝金等が必要となる。
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