研究課題/領域番号 |
16K12354
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
橋本 秀実 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (50515781)
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研究分担者 |
柳澤 理子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (30310618)
大西 眞由美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (60315687)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日本人留学生 / 大学生 / 留学 / 健康 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本人留学生の海外における性行動の実態とその関連要因を明らかにすることである。2018年度までに日本の派遣元大学および海外の派遣先大学関係者への聞き取りを行なったが、2019年度末からの新型コロナウイルス流行により、当初計画していた日本人留学生への調査が困難となり、実施を見合わせていた。流行の継続により、当初予定していた日本人留学生への経時的な調査の実施は困難と判断し、計画を変更して、派遣元である日本の大学への調査および、帰国した元留学生への調査により、日本人留学生の海外における心身の健康状態、性行動や性被害等についての調査を実施することとした。 今年度は2020年度に実施した全国の留学生を派遣している大学への質問紙調査の結果をまとめた。全国185校(学部)に送付し61部の返送があった。留学中の事件等で多かったのは、すり・置き引き・窃盗等39校であった。傷病で多いと答えたのは発熱34校、下痢7校で、少なかったのは寄生虫病0校、妊娠(疑い含む)1校、性感染症(疑い含む)1校であった。性的なトラブルについてはストーカー被害12校、性的暴行(未遂)7校、痴漢や盗撮等5校があった。日常的な傷病、すり・置き引き・窃盗等の軽微な犯罪被害が多く報告されているが、ストーカー被害や性的暴行についても大学が把握しているものがあった。妊娠や性感染症、性被害については大学に報告がないものも多いと考えられ、健康で安全な留学生活を送るための支援の工夫が必要である。 また、帰国した日本人留学生への調査を計画し、Webを利用した調査を実施した。TwitterやHPを活用して調査協力者を募ったが、十分な協力者を得ることはできなかった。今後得られた回答を分析してこれまでの調査と合わせて考察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症流行のため、日本人留学生の派遣中止があったため、日本人留学生を対象とした経時的調査は困難となった。その代替として、帰国した留学生を対象とした調査を計画し実施した。なるべく多くの協力者を得るため対象となる帰国者の年齢幅を多くとり、また、調査内容に性的な内容を含むことから、協力者の心理的な障壁も考慮してWeb(HPやTwitter)を利用して協力者を募り、Web調査を実施したが、思うように協力者が得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は研究最終年度のため、経時的調査は断念する。その代替として、昨年度実施したWeb調査の分析を行い、まとめる。さらにこれまでのインタビュー調査や大学への質問紙調査と合わせて、日本人留学生の性に関する健康の保持増進のために必要な方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
派遣中日本人留学生への経時的調査が新型コロナウイルス流行のため実施できなかった。計画を変更して、次年度は2021年度実施した帰国した留学生へのWeb調査の結果を分析するための事務費、結果を報告、情報収集するための学会参加費、旅費に使用する計画である。
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