研究課題/領域番号 |
16K12361
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研究機関 | 福岡女学院看護大学 |
研究代表者 |
山田 小織 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (60369080)
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研究分担者 |
越田 美穂子 富山県立大学, 看護学部, 教授 (30346639)
守田 孝恵 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00321860)
松尾 和枝 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (90190404)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 保健師 / プリセプターシップ / 現任教育 |
研究実績の概要 |
保健師が与えられた職務に満足して活動し、日々の職務経験を通して自らの課題と向き合い、さらにキャリアアップしていくためには、現任教育が不可欠である。しかしながら、市町村保健師の現任教育体制については、未確立であると報告されている。 これらの課題を受け、2019年度は市町村保健師における現任教育の実態と課題を明らかにすることを目的として、A県内の市町村保健師591名(60ヵ所)を対象者とし、郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施・分析した。調査項目は①基本的属性②現任教育体制と実施内容③職務満足度スケール(Ellenbecker2004,知念2011)④現任教育における課題(自由記述)とした。 235名から回答を得ることができ(回収率39.8%)、職場内でプリセプターのサポートを受けた者はわずか11.9%であることが明らかになった。また、現任教育について「とても必要である」と回答した者は59.1%、仕事上で困難さを「常に感じている」者は28.1%、「時々感じている」者は60.9%、自己研鑽の努力を「行っている」者は30.2%、「あまり行っていない」は15.3%であることが明らかになった。さらに、現任教育について市町村保健師は、〔人事評価システム〕等の≪組織管理≫、〔プリセプターシップ〕や〔外部研修への参加システム〕〔キャリアラダーの活用〕等の≪教育体制≫、〔社会人基礎力〕〔PDCAサイクル〕等の≪教育内容≫に課題があると認識していた。調査結果より、仕事上への困難感を抱える保健師が多い反面、自己研鑽やキャリア意識においては格差があることが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
A県内の市町村の協力を得て、現任教育に関する実態調査を実施することができた。 しかし、プリセプターシップにの実態に関するインタビュー調査については、2019年度内で調査協力を得ることが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
1.今後の計画 2020年度は、2018年度に作成した新人保健師の自己成長感獲得を目指したスタートブックの改訂版を作成、新人保健師を採用した市町村に配布する。そのうえで、新人保健師及びプリセプターを対象として、改訂版スタートブックの活用の現状と課題を明らかにするためのインタビュー調査を計画している。
2.研究を推進するうえでの課題 改訂版スタートブックは、2020年4月中に配布予定、インタビュー調査は2020年12月に実施を予定していたが、新型コロナウイルス感染症対応による現場の状況を十分確認したうえで、スタートブックの配布・インタビュー調査の時期を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
質的調査とスタートブックの作成を2020年度に実施する為、次年度使用額が生じた。
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