| 研究課題/領域番号 |
16K12370
|
|---|
| 研究機関 | 千葉大学 |
|---|
研究代表者 |
工藤 宣子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60305266)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
| キーワード | 養護教諭志望学生 / 大規模自然災害 / 研修プログラム |
|---|
| 研究実績の概要 |
東日本大震災の被害を踏まえ、文部科学省は避難所としての地域の拠点として、学校施設の機能の確保を緊急提言した。また、南海トラフ地震や首都直下型地震等、大規模自然災害の発生が想定される中、医学的知識を持つ養護教諭には多くの役割が今まで以上に期待されている。
大規模自然災害発生時、学校は避難所となることが想定されているが、避難所開設時、学校がどのような状況に置かれるのか、ある程度の予測が立てば、心理的な余裕をもって準備・対応をすることができる。
そこで、若年養護教諭並びに養護教諭志望学生のニーズの把握および大規模自然災害体験者の経験談の聴講がどのような効果をもたらすのかを測定するため研修会を実施した。講師は、東日本大震災の際、避難所となった学校に勤務していた学校医・支援スクールカウンセラー・養護教諭である。また、発災当時、中学生だった被災者がどのような心理的変容をたどったのかを研究した研究者並びに震災後、初任として被災地に勤務することになった養護教諭も講師に迎え研修会を実施し、研修会前後にニーズの把握および研修会の効果を測定した。
大規模自然災害発生時、児童生徒は平常時とは異なる心理状態となり、心理的支援ニーズの増加が予測されるが、心理的支援ニーズは言葉で表現されるとは限らず、健康観察能力の向上が求められる。そこで、健康観察に関するトレーニング開発を目的として、表情分析に関する研修会を開催した。研修会の内容は、健康観察の一要素である表情分析に関する基礎的知識に関わる講話と表情分析トレーニングを目的とした演習である。研修会参加前後の表情分析能力の変化を測定し、その結果の一部を関連学会の学術集会において口頭発表した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
若年養護教諭並びに養護教諭志望学生のニーズを目的とした研修会においてそのニーズに関するデータを収集した。また、東日本大震災経験者の講話聴講の効果測定のため、研修会前後に関連データを収集した。加えて、健康観察に関わる研修会を開催し、研修会の効果測定のためのデータを収集した。
研究成果の一部は関連学会において口頭発表したが、本来の最終年度である今年度、全ての研究成果を公表するには至らなかった。そこで、本研究課題の進捗状況を「やや遅れている」と評価した。
|
| 今後の研究の推進方策 |
これまでに収集したデータの分析を進める。研究成果は関連学会において口頭発表する予定である。加えて、研究成果をまとめ、関連学会への投稿準備をする予定である。また、大規模自然災害経験者の体験に基づく実践報告並びに先行研究を再分析し、本研究において収集したデータおよび分析において明らかになった結果を補完する。これらの作業と並行してこれまでの研究成果を総括し、報告書としてまとめる予定である。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
研究推進が若干遅れ、収集したデータの一部分析および研究成果の公表が未実施であるため残金が生じている。今後、データの分析を進め、研究成果の公表のために使用する予定である。また、追加調査と報告書の作成のために使用予定である。
|
