研究課題/領域番号 |
16K12374
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
内藤 徹 同志社大学, 商学部, 教授 (90309732)
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研究分担者 |
小川 光 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (10313967)
伊ヶ崎 大理 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (10336068)
福山 博文 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40409537)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 世代重複モデル / 将来災害リスク / 財政競争 |
研究実績の概要 |
本年度は,研究機関の2年目にあたり,当初の目的通り,研究代表者ならびに分担者は各々自分の課題についての研究論文の執筆,報告をおこなった.グループでの研究成果の具体的な実績は,査読誌7報,国際会議5報告,国内での学会報告を複数行った.また,分担者である伊ヶ崎は,2017年度日本地域学会論文賞の受賞という形で研究成果が結実し,授賞式の際は本科研費の研究成果であることが述べられた.理論的な分析においては,将来のリスクを加味した消費者行動や移住行動に,職業選択行動についての理論分析に多くの研究成果がでた.中でも将来の死亡リスクが家計の以上効果に影響を与えかねないことが理論分析から明らかになり,それらをコントロールする政策も地域間の人口分布に影響を与えることが明らかになった.この結果は将来の災害リスクを加味した際,そのリスクが地域間の集積分散に影響を当たる可能性があるとを示唆しており,事前復興政策の策定に当たっては,十分加味する必要あることを示すことができた.その一方で,GISを利用した実証分析では,データの作成を当初の計画より遅れており,研究成果として形にならなかった. 来年度以降は,前半2年の理論的な研究知見を実証分析を連携することにより,その結果の頑健性を明らかにすることが課題となるが,すでに準備は出来ているため来年度は実証分析ならびに引き続き国際会議,国内学会,欧文・邦文査読誌における研究成果の公刊を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の通り,理論分析については,複数の国際会議,国内学会,欧文・邦文査読誌への論文掲載など概ね順調に進んでいる.研究分担者の伊ヶ崎も学会賞を受賞するなど,理論的知見は一定数の蓄積ができていると思われる.さらに代表者は,Springer社から発刊された,Applied Approaches to Societal Institutions and Economics:Essays in Honor of Moriki Hosoe, Springerに本科研費の助成を受けた研究論文を掲載している. しかしながら,分担者の伊ヶ崎の国際会議での報告の延期,GISデータをもちいて実証分析については,多少の遅れが生じているため今後は,こちらの方面での研究推進を図る必要がある.伊ヶ崎も研究経費の繰り越しを行っているが,既に国際会議での報告も予定しており,4年間という期間を鑑みた場合,大きな遅延ではないと思われる.
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今後の研究の推進方策 |
先述のとおり,理論分析については一定の研究成果が出ているため,各分担者はこのペースで研究を推進していく.半面,実証分析については多少遅れているため,担当の代表者と分担者はこの分野のデータの整理加工を早急に進め,来年度の実証分析の足掛かりにする予定である.昨年度,研究成果の報告予定が一部延期になるなど繰越などの影響がでているため,本年度は当初の計画通り,報告することに務める.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定してた国際会議での報告が遅延したため,翌年度に報告がずれ込んだため,次年度使用額が生じた.
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