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2016 年度 実施状況報告書

ICTを活用した被災地の孤立防止と生活支援型コミュニティづくり

研究課題

研究課題/領域番号 16K12375
研究機関岩手県立大学

研究代表者

小川 晃子  岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (40305280)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード孤立防止 / 生活支援型コミュニティづくり / ICT活用 / 重層的見守り / 減災
研究実績の概要

岩手県立大学では12年前から電話機を活用した高齢者の能動的な安否確認である「おげんき発信」を開発し、普及を支援してきた。東日本大震災被災地においてはこれを基盤として、ICT(情報通信技術)を活用した複数の見守りシステムを導入し、地域の多様な関与者とともに孤立防止と生活支援型コミュニティづくりのアクションリサーチに取り組んできた。
平成28年度においては、まず関連文献の調査を行った。次に、上記のアクションリサーチの取り組みを再検証し、体系的な整理のためのデータを収集した。まず、東日本大震災の被災地である釜石市においては高台への移転や仮設住宅再編成の段階における支援策のを、一関市では内陸での災害公営住宅建設段階における支援策の意義や効果を検証した。また、高知県梼原町におけるアクションリサーチに伴い、南海トラフ巨大地震の被害想定に対する減災策との関連を検討するためのデータをヒアリング等により収集した。
さらに、研究計画作成時には想定していなかった台風10号の被害が平成28年8月30日に岩手県内で起きたことに伴い、被災地での「おげんき発信」の発信データの解析を進め、市町村社会福祉協議会等の関与者からヒアリングを行うことにより、ICTを活用した見守りシステムが防災・減災にどのように役立つかの検証データを収集し分析した。
こうしたデータをもとに、ICTを活用した被災地の孤立防止と生活支援型コミュニティづくりについて①復旧・復興の段階別支援策、②広域性と地域性に応じた支援のあり方、③新たな災害に対する防災・減災対策について、明らかにする作業に着手している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

東日本大震災被災地と高知県梼原町におけるアクションリサーチの継続における検討は、順調に進展している。しかし、阪神淡路大震災における取組の事例調査については、相手方との予定が調整できず平成29年度に行うことにした。また、柏市におけるアクションリサーチは、JSTRISTEXの統合実装プロジェクト側の都合により平成28年度は作業が生じなかったため29年度に行うことになった。
また、上記のアクションリサーチは別研究費の作業と併せて出張等を行ったために、予算執行率は予想より低く抑えられた。これに伴う予算残は、研究成果をより充実させるための検証作業を加える予定である。

今後の研究の推進方策

平成29年度は平成28年度に積み残した阪神淡路大震災における取組事例調査と柏市における検証を重点的に進めるとともに、東日本大震災被災地及び高知県梼原町における取組の進行にあわせた検証を重ね、おげんき発信や見守りポータルサイトの広域的利用への働きかけを行う。さらに、当初の計画にはなかった台風10号や山林火災の際のICT見守りの防災・減災効果についての検証を加える。
また、これを踏まえて、①復旧・復興の段階別支援策、②行為規制と地域性に応じた支援の在り方、③新たな際学に対する防災・減災対策を検討・考察する作業を行い、30年度に成果の取りまとめができるように進める。

次年度使用額が生じた理由

阪神淡路大震災における取組の事例調査については、相手方との予定が調整できず平成29年度に行うことにした。また、柏市におけるアクションリサーチは、JSTRISYEXの都合により平成28年度は作業が生じなかったため29年度に行うことになった。
また、上記のアクションリサーチは別研究費の作業と併せて出張等を行ったために、予算執行率は予想より低く抑えられた。

次年度使用額の使用計画

まず、平成28年度に計画していた作業で完了していない点については、阪神淡大震災における取組事例の把握のための神戸出張旅費に使用する。また、高知県梼原町での南海トラフに関連する減災に関するヒアリングを追加し、出張旅費に使用する。
さらに、研究計画策定時には想定外であったが、岩手県においては平成28年8月には台風10号が、平成29年5月には釜石市平田地区で大規模な山林火災の被害が起きた。その被災地において、おげんき発信や重層的見守りの仕組みがあることがどのような防災・減災効果をもっていたかについての検証を追加する。具体的には、おげんき発信率データの分析や、見守りセンター機関のヒアリング調査のための謝金・旅費に活用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 屋内における高齢者見守りテクノロジー2017

    • 著者名/発表者名
      小川晃子他
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      ㈱エヌ・ティー・エス

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公開日: 2018-01-16  

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