平成30年度からアクションリサーチを開始した岩手県山田町に加えて、岩手県岩泉町でのアクションリサーチを行った。山田町では、災害公営住宅入居でのお元気発信の利用が、新型コロナウィルス感染拡大を背景として他地区での一般住宅居住者の利用に拡大するプロセスを把握した。また、東日本大震災被災地であるとともに平成28年度の台風10号被災地である岩泉でのお元気発信の効果検証を行った。 これにより、ICTを活用した高齢者の能動的見守りシステムの活用と生活支援型コミュニティづくりの効果検証を、①仮設住宅・災害公営住宅・一般住宅という復旧・復興の段階別別支援策として検証を進められた。また、②岩泉町では町内全世帯に無料レンタルされている電話型IP端末のアンケート機能を活用して岩手県内他地域とは異なるお元気発信をシステム化した。こうした地域による既存資源の差異と支援の在り方についても検証を重ねることができた。③さらに、大震災被災地でのICT活用能動的見守りが、台風被害やコロナ被害といった新たな災害が重なった際に新たな防災・減災策に発展していくプロセスを検証することができた。 4年間にわたり得られたデータをもとに、最終的な検証と考察を行うことができた。 その成果は、医療と介護Next5(2)の掲載論文「システムを開発して見守りからコミュニティづくり」にまとめた。また、令和2年度に県内社会福祉協議会での実装をさらに進める活動への方策が確定した。
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