研究課題/領域番号 |
16K12378
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
外谷 英樹 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (40285226)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自然災害 / 政府の質 / 経済政策 / 国際研究者交流 米国 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、自然災害が政府の質にどのような影響を与えるのかをデータを用いて実証分析することである。本年度は私が共同研究者であるMark Skidmore教授の所属するミシガン州立大学に2017年3月10日から3月23日まで滞在し、研究計画に沿って以下の研究活動を行った。 1)関連文献のサーベイ:ミシガン州立大学に滞在中、ともに議論を重ねて必要な文献を確認、参照した。 2)関連データの整理:ミシガン州立大学滞在中に、分析を行う際にどのようなデータが適切であり必要であるのかについての議論を行った。そして一般公表されている複数のwebサイトから「政府の質に関するデータ」と「自然災害に関連したデータ」を入手し、およそ200か国における1996年-2000年、2000年-2004年、2004年-2008年、2008年-2012年、2012年-2015年の5期間パネルデータを作成した。 3)実証分析:整理されたデータを用いて、分析の基礎となるクロスカントリー・パネルデータによる回帰分析を行い、自然災害の頻度が各国の政府の質にどのような影響をあたえているのかについての実証分析を試みた。その結果、自然災害の頻度が多い国ほど政府の質が向上する傾向があり、特にその傾向は地震、雪崩、地滑り、火山活動などの地質的災害に顕著に見受けられるものであった。また得られた実証結果の解釈・議論を行い、今後の分析の方向性を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、1)関連する文献のサーベイ・整理、2)関連データの整理、3)実証分析、4)理論的背景の考察の4項目を行う予定であったが、1)、2)に関しては作業がほぼ完了した。3)については、基礎的な回帰分析を行い、今後の方向性を議論している。4)については、3)の実証分析と関連させながら、分析をすすめていく方針である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、引き続き研究を行っていく。平成29年度は、これまで行ってきた実証分析結果を整理しまとめた上で、論文の作成を行い、国内外の学会で発表していく。平成30年度は、学会等で得られたコメントをもとに改訂し、海外査読付雑誌に投稿していく。また作成されたデータを電子メールやインターネットを用いて公表していきたい。
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