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2016 年度 実施状況報告書

グラフ分解に基づく新たな索引構造の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K12393
研究機関東京大学

研究代表者

定兼 邦彦  東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (20323090)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードグラフ分解 / 深さ優先探索
研究実績の概要

グラフ分解を用いて,動的DFS問題に対する効率的なアルゴリズムを開発した.動的DFS問題とは,初めに無向グラフ G とその全域木 T が与えられ,その後に枝の挿入削除・点の挿入削除が行われたときに深さ優先探索 (DFS) 木を更新するという問題である.この問題に対し,O(sqrt{nm} polylog(n)) 時間の更新アルゴリズムを与えた (n は点数,m は枝数).アルゴリズムの作業領域は (3m+o(m)) log n + O(m) ビットである.既存手法では O(m log^2 n) ビットを用いていたため,作業領域を大幅に削減できた.
このアルゴリズムでは,DFS木をパスと部分木に分解する手法を用いている.DFS木の枝が削除された場合に,代わりにどの枝をDFS木に採用するかを決める必要があるが,その問題は2次元の領域探索問題で表現できる.領域探索問題はウェーブレット木と呼ばれるデータ構造を用いることで省空間で効率的に解くことができる.
処理時間については,枝の挿入のみが起きる場合については既存手法の方が優れているが,それ以外の場合については提案手法の方が高速である.なお,既存手法にはアルゴリズムに一部間違いがあることを発見し,その修正もしている.作業領域については,更新時間が均し時間の場合は (2m+o(m) log n + O(m) ビットに削減できる.更新時間の最悪ケースを抑えるためには (3m+o(m)) log n + O(m) ビットの領域が必要となる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

SPQR木を用いたグラフの分解については,グラフが静的な場合の基本的な結果は得られたが,各種問題への応用や動的なグラフの扱いなどがまだできていない.

今後の研究の推進方策

海外の共同研究者を招聘し,研究を行う.

次年度使用額が生じた理由

論文の執筆が遅れ,出張費用等が余った.

次年度使用額の使用計画

海外の研究者を招聘し,共同研究を行う.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A Space-Efficient Algorithm for the Dynamic DFS Problem in Undirected Graphs2017

    • 著者名/発表者名
      Kengo Nakamura, Kunihiko Sadakane
    • 雑誌名

      Proceedings of WALCOM

      巻: LNCS 10167 ページ: 295-307

    • DOI

      10.1007/978-3-319-53925-6_23

    • 査読あり
  • [学会発表] 無向グラフ動的DFSに対する省空間かつ高速なアルゴリズム2017

    • 著者名/発表者名
      中村健吾・定兼邦彦
    • 学会等名
      電子情報通信学会総合大会
    • 発表場所
      名城大学
    • 年月日
      2017-03-22 – 2017-03-25

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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