• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

グラフ分解に基づく新たな索引構造の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K12393
研究機関東京大学

研究代表者

定兼 邦彦  東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (20323090)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードグラフ分解 / 最大フロー
研究実績の概要

グラフ分解を用いて,ネットワークでの最大フローを高速に求めるアルゴリズムを開発した.グラフの頂点数を n, 枝数を m とすると,最大フローを求めるこれまでの最速アルゴリズムの時間計算量は O(nm) である [Orlin 2013]. 本研究では,グラフをSPQR木を用いて3連結成分に分割することにより高速化した.グラフの最大3連結成分のサイズ(枝数)を r とすると,最大フローを O(m + nr) 時間で求めることができる.常に r <= m であるため,このアルゴリズムは最悪の場合でも既存手法と同じ時間であり,グラフが小さい3連結成分に分割される場合には既存手法よりも高速に最大フローを求めることができる.
上記の手法を発展させ,最大フロー索引化問題に対する高速アルゴリズムを開発した.この問題は,ネットワークが与えられたときに,予め索引を作成しておくことで最大フロー問題をより高速に解く問題である.この問題に対し2つの索引を提案した.1つ目は索引のサイズが線形 (O(m)) であり,最大フローを求める問い合わせ 時間が O(r^2) のものである.また,この索引を用いることにより,最小カット問題も効率的に解くことができる.2つ目は,索引のサイズが O(nr) であり,問い合わせ時間が O(log n) のものである.この2つには索引サイズと問い合わせ時間のトレードオフがあり,用途によって使い分けることができる.さらに,問い合わせ時間は α(n) (逆アッカーマン関数) にすることもできる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り,グラフ分解によりネットワーク問題を高速に解くことができた.成果は国際会議にて発表した.

今後の研究の推進方策

ネットワークでの他の問題,動的ネットワークへの対応,データ構造のコンパクト化などを行う.

次年度使用額が生じた理由

今年度は出張費用が想定よりも少なく済んだため,予算が余った.
翌年度は出張費用および研究員雇用のために使用する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] Indian Institute of Technology Madras(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      Indian Institute of Technology Madras
  • [雑誌論文] Faster Network Algorithms Based on Graph Decomposition2018

    • 著者名/発表者名
      Kashyop Manas Jyoti, Nagayama Tsunehiko, Sadakane Kunihiko
    • 雑誌名

      Proceedings of WALCOM

      巻: LNCS 10755 ページ: 80~92

    • DOI

      10.1007/978-3-319-75172-6_8

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi