研究課題
挑戦的萌芽研究
グラフ分解に基づくネットワークアルゴリズムについて,様々な問題についてのアルゴリズムを与えた.ネットワークの2点間の最大フロー,全点間最大フロー,最小カット,単一始点最短路,全点間最短路問題について,グラフの最大3連結成分サイズを用いて時間計算量を評価した.これらの手法は最大3連結成分サイズが小さいグラフについては既存手法よりも高速である.つまり,グラフの最大3連結成分サイズは,ネットワーク問題の難しさの一つのパラメタと考えることができる.
アルゴリズムとデータ構造
グラフに関する問題を解くアルゴリズムとしては,木分解に基づくアルゴリズムが多く存在するが,それらは木幅が小さい場合しか適用できない.本研究で開発するアルゴリズムは異なる分解に基づくため,木幅が大きいグラフに対しても適用できる.また,木分解と異なり,問題によっては計算量がパラメタの指数では無く多項式に比例するようになることがある.これにより,多くのグラフに対して実用的なアルゴリズムを開発できるようになることが期待される.