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2016 年度 実施状況報告書

IoTベースシステムの性能解析・設計検証手法の創出

研究課題

研究課題/領域番号 16K12418
研究機関大阪大学

研究代表者

東野 輝夫  大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80173144)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードモノのインターネット(IoT) / モビリティ / 設計検証 / ITS / 群衆センシング
研究実績の概要

① IoTベースシステムのモデル化:対象のIoTベースシステムを複数のモジュール(端末やエッジサーバ)が連携して動作するような分散協調システムとしてモデル化し、各モジュールの入出力データが満たすべき性質や時間制約をアサーションの形で指定できるようにした。提案モデルでは、モジュール群の動作の一部を実プログラムでエミュレーション実行し、残りをシミュレータ側で用意した簡易プログラムでシミュレーションできるよう、シミュレータ・エミュレータ連携型のテスト環境の実装を想定している。
② モビリティ生成法の考案:車両や人のモビリティに依存するIoTシステムのシミュレーションについては、MASS 2011で考案した手法をもとに、ノードの密度分布が動的に変化させられるようなランダムモビリティ生成手法を開発した。また、交通流シミュレータVISSIMなどで生成された車両モビリティなどで生成された歩行者モビリティから、当該領域のセル毎のノード密度とその時間変化を自動で計測・再現できるような方式を考案した。
③ 受動的テスト(passive testing)手法の開発:上記②で開発した方式を用いて、セル毎の密度分布とその時間変化を再現し、モジュール群のシミュレーションやアサーションの成否判定をモニタリングできるような受動的テスト手法を考案した。
④ アサーションベースの設計検証手法の開発:LSIの設計検証の考え方をもとに、アサーションベースの階層的な設計検証手法の考案を行った。
⑤ 提案方式の一部は、IEEE iEECON2017国際会議で発表(招待論文)すると共に、2017年5月に開催されるIEEE SMARTCOMP 2017国際会議のキーノート・スピーチ、および、2017年6月に開催されるIEEE主催の分散システム国際会議ICDCS2017の本会議論文として採択された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は「研究実績の概要」の項で述べた①~④の研究課題を実施することを目指していた。当該研究については、概ね順調に研究が進められていると考えている。また、その一部の成果については、2017年3月に開催されたIEEE iEECON2017国際会議で発表(招待論文)すると共に、2017年5月に開催されるIEEE SMARTCOMP 2017国際会議でのキーノート・スピーチ、および、2017年6月に開催されるIEEE主催の分散システム国際会議ICDCS2017の本会議論文として採択されており、成果の発表という点でも概ね順調に研究が進められていると考えている。なお、ICDCS2017国際会議は分散システムに関する最も歴史と格式のある国際会議として知られている。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、次のような研究を実施する予定である。
① 実環境に近いモビリティの生成:近年、様々な都市の詳細な交通流データが収集・公表されるようになってきた。また、それらの交通流データを市販の交通流シミュレータ上で再現することで、当該地域の広範囲な道路上での車両の密度分布やその時間的変化などを容易に再現できる。さらに、市販の避難シミュレータを用いることで、災害時の群衆モビリティなども再現することができる。このような実際の人や車のモビリティを再現し、セル毎の密度分布やその時間変動などを計測・再現する方式を考案することで、現実的なモビリティに対する提案設計検証手法を構築する。
② 提案アサーションベースの設計検証手法の有用性の評価:想定するシミュレーション環境において、仮想ノードの一部をスマートフォンなどの実機のプログラムとして実行できるようなテスト環境を試作し、提案手法の有用性の評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

方式の検討などに時間がかかり、システムの試作や実験補助のためのアルバイトの実施が2017年の1月以降になってしまったが、修士論文の発表時期などとも重なり、年度内での実施ができなかったこと、また、平成28年度は研究科の専攻長をしていた関係で、計画していた国際会議などの参加ができなかったことなどから、旅費についても少し残が出てしまったことが、次年度使用額が生じた理由である。

次年度使用額の使用計画

平成29年度に国際会議発表が2回予定されていることなどから、次年度使用額の一部は国際会議の出席旅費などに支出したいと考えている。また、必要に応じて物品費の購入や会議の参加費(その他)などにも使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件)

  • [学会発表] EdgeCEP: Fully-distributed Complex Event Processing on IoT Edges2017

    • 著者名/発表者名
      Sunyanan Choochotkaew, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino, Megumi Shibuya and Teruyuki Hasegawa
    • 学会等名
      IEEE 13th International Conference on Distributed Computing in Sensor Systems (DCOSS2017)
    • 発表場所
      Ottawa, Canada
    • 年月日
      2017-06-05 – 2017-06-07
    • 国際学会
  • [学会発表] IoT based Social CPS Research for Smart Cities Resilient to Disasters2017

    • 著者名/発表者名
      Teruo Higashino
    • 学会等名
      3rd IEEE International Conference on Smart Computing (SMARTCOMP 2017)
    • 発表場所
      Hong Kong, China
    • 年月日
      2017-05-29 – 2017-05-31
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Social CPS Research for Smart and Connected Communities2017

    • 著者名/発表者名
      Teruo Higashino
    • 学会等名
      IEEE 5th International Electrical Engineering Congress (iEECON2017)
    • 発表場所
      Pataya, Tailand
    • 年月日
      2017-03-09 – 2017-03-10
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Edge Computing and IoT Based Research for Building Safe Smart Cities Resistant to Disasters2017

    • 著者名/発表者名
      Teruo Higashino, Hirozumi Yamaguchi, Akihito Hiromori, Akira Uchiyama and Keiichi Yasumoto
    • 学会等名
      37th IEEE International Conference on Distributed Computing Systems (ICDCS 2017)
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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