研究課題
最終年度における研究とりまとめにあたり、この研究の成果として、可視光通信の新提案方式である仮想正弦波アルゴリズムの定式化を完了し、また実験により実証した。光源あたり120bps程度の通信速度(過去提案のものを10倍程度上回る)を確認した。また通信波形のスペクトルを自由に設計できることから、基本周波数を 200Hz程度にとることで、光源のフリッカーを人の目に検知されない通信が可能であることを確認した。これは部屋の照明などを通信光源に使うことが可能であることを意味する。複数光源を空間的に多重化し、通信速度を向上させる方式への発展のため、グリッド状に並べた光源を撮影し、ウィーナーフィルターにより分離する方式設計と実験を行った。このフィルターはS/N向上に寄与することを確認した。研究の発展として、8×8LEDアレイを駆動通信実験用光源装置を作成し、ウィーナーフィルターと併用してリアルタイム音声通信を行う準備をしている。成功すれば動画カメラの可視光通信としては初の成果となる。仮想正弦波アルゴリズムによれば、面光源を駆動し、それをローリングシャッター動作を行う動画カメラで撮影することで、面光源あたり数10kbpsの通信速度を得るという、新しい可視光通信形態について着想を得た。これは研究開始時にはなかった着想であり、本研究を通じて得られた新知見と言える。面光源方式の可視光通信について、基本的な動作確認の上、特許申請した。以上の研究成果を、雑誌論文および国際会議において発表した。
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電子情報通信学会論文誌
巻: Vol.J101-B,No.5 ページ: pp.1-11
電子情報通信学会誌
巻: Vol.101, No.1 ページ: pp.44-51
Proceedings of 8th Int'l Conference on Indoor Positioning and Indoor Navigation (IPIN 2017)
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10.1109/IPIN.2017.8115904
第55回情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム研究会
巻: 017-UBI-55(,no. 2) ページ: pp.1-6