スマートフォンなどに搭載される低速なビデオカメラを使って、高速可視光通信を実現する研究である。ビデオカメラの動作をインテグラル・サンプラという数学モデルで厳密に記述し、カメラ出力を周波数空間で解析すると見通しのよい結果を得られることがわかった。このモデルから導かれる光源の変調は、発光スペクトルの調波を組み替えた仮想正弦波と称するものに対して行って、これを周波数分割多重した OFDM通信が可能であることがわかった。これらの知見は本研究によりはじめて得られたもので、得られる通信速度は従来試行されたものの10倍に達することが判明した。本効果を実験で確かめるとともに、学会発表と2件の特許出願を行った。
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