研究課題
4次元ストリートビュー手法を実現するために以下の3つの手法とツールを開発した。(1)全方位同時可視化手法の確立。(2)シミュレーションと可視化を分離するMPMD計算手法の確立。(3)動画データブラウザの開発。以下、それぞれについてその成果をまとめる。(1) 全方位同時可視化手法の確立:シミュレーション領域に散布させた仮想的な可視化用カメラ視点から全方位で可視化画像を連続的に生成する手法を開発した。可視化のための基礎ライブラリにはオープンソースの可視化クラスライブラリKVSを利用し、ある視点から6方向で「撮影」した可視化画像を一枚の全方位画像に自動的に集めるプログラムが完成した。(2) シミュレーションと可視化を分離するMPMD計算手法の確立:上述の可視化プログラムをシミュレーションプログラムに組み込むあたり、シミュレーションの実行速度に影響を与えないないで可視化を実現する手法の確立に成功した。これはシミュレーションと同数、あるいはそれ以上の計算ノード数を(並列化された)可視化プログラムに割り当て、両者をほぼ独立したMPIプログラムとして同時に実行させるMPMD(Multiple-Program Multiple Data)方式の並列計算手法である。(3) 動画データブラウザの開発:シミュレーション実行後には多数の全方位可視化動画ファイル群が生成される。4次元ストリートビューとは、この全方位可視化動画ファイル群を入力とし、その「画像空間」を自由に移動して連続した画像列を対話的に抽出して画面に表示することである。平成29年度は、この対話的・連続的な画像抽出を可能にする動画データブラウザの開発に注力し、十分な性能をもつブラウザプログラムの開発に成功した。磁気流体力学(MHD)シミュレーションで実際に4次元ストリートビュー手法による解析を行い、想定した通り、4次元の画像空間内で自由に視点と視野を変更することができた。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件)
International Journal of Modeling, Simulation, and Scientific Computing
巻: - ページ: -
10.1142/S1793962318400020
可視化情報
巻: 37 ページ: 14-19