本研究は手指運動能力に関する神経基盤の検討を行った。健常成人を対象にし、示指、中指、環指、小指を使ったタッピングを実行してもらい、脳活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で計測した。空間的なボクセル活動パターンを解析した結果、一次運動野の活動を使ってそれぞれの指パターンを識別できた。さらに参加者のピアノ練習経験の有無に応じ、タッピング運動中の指の神経表現が異なっていることが示された。またニューロフィードバックを使って一次運動野の活動レベルを視覚提示するシステムを開発し、運動イメージ化を用いて一次運動野の活動を上げることにより、手指運動のパフォーマンスが促進される可能性を示した。
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