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2018 年度 実施状況報告書

実行系注意機能における個人差とパーソナリティに共通の心理・神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K12442
研究機関京都大学

研究代表者

熊田 孝恒  京都大学, 情報学研究科, 教授 (70221942)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード実行機能 / 流動性知能 / パーソナリティ / 脳機能
研究実績の概要

本年度は、昨年度に引き続き,パーソナリティのうちBigFiveに着目し、課題と無関連な妨害刺激が提示されている状況で適切に注意を制御する機能に着目し、それらの成績とパーソナリティとの関連を調べた。28名の実験参加者に対 し、昨年度,実施した実行系注意機能課題を実施するの同時に、BigFive質問紙を用いたパーソナリティの調査を行った。さらに,実行系ネットワークの機能を反映すると考えられている流動性知能を計測するためのRavenマトリックス課題を実施した。実行系注意課題では、昨年度に引き続き,反応時間と正答率から、全般的な反応速度、全体的な正確さ、妨害項目への注意の誘導度、妨害項目からの注意の解放度の4つの指標を算出した。昨年度と同様に,開放性は全般的な反応速度と勤勉性は全体的な正確さとの関連を示した。また,神経症傾向が高いほど妨害項目への誘目度も高く、開放性が高いほど注意の解放度が高いという結果も再現された。昨年度に引き続き,外向性や協調性といった対人関係に関連するパーソナリティ因子とは有意な相関を示さなかった。また,流動性知能の成績自体は,5つのパーソナリティ因子との間に有意な関係はなかった。しかしながら,流動性知能は,実行系注意機能課題の3つの指標とは関連性を示した。全般的な反応速度や注意の誘目性と有意な相関を示した他,反応の正確さとの相関は有意傾向であった。従来より,流動性知能は前頭葉の実行機能ネットワークとの関連が指摘されていたが,本研究の結果は,それに加えて顕著性ネットワークとの関連も示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

脳機能計測実験を実施したが,解析に十分な被験者数に達しておらず,最終的な結論を得るには至らなかった。

今後の研究の推進方策

脳計測実験を実施し,結果から,結論を得ることを優先させるとともに,これまでの結果を速やかにまとめて公表を行う。

次年度使用額が生じた理由

脳機能計測実験を実施する予定であったが,課題作成に時間を要したため,実施が遅れ,差額が生じた。本年度の結果も踏まえて,課題を修正したのち,速やかに実験を実施する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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