研究課題
H28年度に考案した構造の独自センサでは、クロストーク除去アルゴリズムとセンサ融合によって期待したスペクトルの分離は達成できなかったが、新たにRGBカラーカメラとマイクロプリズムアレイを光路途中に挿入したカメラを2台同時に用いて計測することにし、この2台の計測結果の間で厳密な位置合わせを行えるように、2台のカメラの位置関係を精密に定めるための筐体を3Dプリンタで試作し、2台のカメラのキャリブレーションを厳密に行うようにしたところ、2台のカメラで計測した画像の画素間に正確な対応付けができるようになり、それによって逆演算の際の不確実性が減り、クロストークを除去しやすくなり、スペクトルの分離が行えるようになった。また、前年度までの研究から当スペクトル分離問題(クロストーク除去問題)が当初想定していたよりも条件の悪いデコンボリューション問題となることが判明していたので、凸射影法に基づく新たなクロストーク除去の方式を開発した。この方式は、まだ実データには適用していないが、数値シミュレーションによって生成したノイズ混入の模擬マルチスペクトル画像に対して、ノイズの除去とクロストークの除去を同時に実現できることが示された。上記キャリブレーションにおいて、幾何光学的校正を行う際には、異なる画像センサの対応画素の近傍の多数の画素の間で、クロストークを生じたスペクトル情報間に多数の連立方程式ができるのでこれを高次元の逆問題として定式化した。そして人工ニューラルネットワークを多数のサンプルで学習することによってこの逆問題を解く方式を考案した。
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IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing (ICASSP)
巻: 1 ページ: 1603-1607