音声プライバシー保護は,オープンスペースにおける音声情報漏えいを防ぐ意味で挑戦的な課題である.しかし,会話音声を不明瞭で聴き取り難くすることはとても難しい.本研究では,漏えい音声を聴取してしまう人の音環境を,後処理した漏えい音声を呈示することで所望の音声伝送指標を得られるように制御し,漏えい音声の明瞭性・聴き取りにくさを能動的に制御する.聴取実験による評価の結果,提案法はSTIを能動的に制御することで漏えい音声の明瞭性を低下させ音声プライバシーを保護可能であることがわかった.また,従来法(マスキング法と残響付与法)と比較して,効果的にプライバシー保護を実現できることもわかった.
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