研究課題
本研究では,1)瞳孔径の周波数領域での変化を解析することで人の状態推定,特に眠気の推定が可能であるかを検出するアルゴリズムを開発した.また,このために必要な2)可視画像からの瞳孔径検出アルゴリズムの開発も行った.基礎実験では,瞳孔径は赤外光下で計測し,暗瞳孔法によって瞳孔径輪郭検出を行った.ここから周波数成分に分離し,同時に眠気を誘発する実験を行ったところ,0.1-0.8Hzのパワー平均をとると眠気と有意な相関(p<0.01)が見られることが確認できた.一方で,より高周波な成分では良い相関が見られなかった.この研究に基づき,赤外光ではなく可視光画像から瞳孔径を検出するアルゴリズムを開発した.まず,赤外光画像と同時に可視光画像を撮影するシステムを開発した.ここから得られた瞳孔径領域と同時に撮影された可視光画像の関係を深層学習により学習して,可視光画像のみから瞳孔径を検出しようとするものである.深層学習によるセグメンテーションネットワークであるU-NETを用い,両者の関係を学習したところ,高精度で瞳孔の検出が可能になることが確認された.この技術を用いて,可視光画像から瞳孔径の周波数解析を組み合わせて,可視光内部状態を推定することが可能になった.また,内部状態検出の一部として,本技術を用いて視線検出アルゴリズムを開発した.ここでは,スクリーン上にマーカーを提示し,被験者の瞳孔の位置とマーカーの位置関係を学習することで,視線の検出を行った.その結果,市販の製品と同様(精度=1度以下)のアイトラッキングが可能になることが確認できた.
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
2018 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics (SMC)
巻: 1-1 ページ: 1-8
10.1109/SMC.2018.00154
巻: 1-1 ページ: 1-4
10.1109/SMC.2018.00666
IEICE Transactions on Information and Systems
巻: E101.D ページ: 1278~1287
10.1587/transinf.2017MVP0020