本研究では、ヒトがどこを見ているか外部からは正確には観測できないという性質、つまり、光軸(ヒトの眼球の形状の中心軸)と視軸(ヒトの注視点に基づく軸)にκ角と呼ばれるズレがあり個人差が大きいという性質を活用した、新しい認証技術の確立に挑戦した。具体的には、外部から観測が困難な、視線インタラクションによる個人認証技術の確立に向けて、(1)κ角の分布の計測、(2)認証端末に入力情報を残さないインタラクション方式の開発、(3)システムのプロトタイプ開発を行い、提案技術の有効性、性質およびその適用限界について明らかにした。
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