近年,脳機能を模倣した脳型情報処理は,特定のタスクにおいて人間の能力を凌駕するなど,飛躍的に発展している.一方で,人間のようにタスクや環境に応じて処理の内容を変更することは困難であり,予め学習させた特定のタスクしか処理できない問題が存在する. 本研究では汎用的な視覚処理システムの実現を目指して,脳機能と同様に非常に多様な特徴抽出処理を可能にするハードウェアフィルタを実現した.特に,その実現方法として脳の神経細胞の振る舞いに近い確率的演算であるストカスティック演算を活用することで,従来ハードウェアと比較して,同等スループットを保ちつつ最大97%の電力削減に成功した.
|