研究課題/領域番号 |
16K12498
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研究機関 | 九州情報大学 |
研究代表者 |
麻生 隆史 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (20259683)
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研究分担者 |
車 炳王己 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (10310004)
久保田 良輔 宇部工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (50432745)
田向 権 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (90432955)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ソフトコンピューティング / ファジィ理論 / 画像拡大 |
研究実績の概要 |
これまで検証したアルゴリズムによりコスト関数とクラスタリングされたコードブック情報により,高精度の高周波成分の推定手法を用いることを前提として,アルゴリズム構築グループは,前年度に得られた評価基準をもとにして,同時最適化アルゴリズムの開発に取り組み,パレットとコードブックの同時獲得を実現する.基礎アルゴリズムが固まり始める.アルゴリズムの高速化とデジタルハードウェア化の専門家である田向准教授と共に携帯端末向けの実装をブロック単位で行い,画質に加えて省電力性と実時間演算性に関する検討を行っており,アルゴリズムの一般性とシステムの実応用性という観点から総合的な評価を行った. その際に必要なハードウェア環境を整備・使用して実験・実証を行い,本研究の目的である,画質を保ちつつ画像の解像度を実時間で自由に変更可能な「限定色画像向けの新しい画像拡大アルゴリズム」を開発した.具体的には,「色空間における最適な色量子化」と「量子化された色情報を用いた画像空間における最適な画像拡大」という互いに探索空間の異なる二つの最適化問題を同時最適化問題として統合し,その求解アルゴリズムを開発した. 開発したアルゴリズムの高速化とハードウェア化を行うために,小型端末上での処理の実時間化を目指した.限定色画像のパレットと拡大アルゴリズムのための事前定義コードブックは,色数や諧調数の限られた携帯端末での利用を目的としているため,アルゴリズムの高速化を行うことで,非力な端末での実時間性を向上させる.また,携帯端末内のSystem on Chipに搭載されているGraphic Processor Unitや再構成可能領域などを用いたハードウェアアクセラレータを開発する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルゴリズム構築グループは,前年度に得られた評価基準をもとにして,同時最適化アルゴリズムの開発に取り組み,パレットとコードブックの同時獲得を実現している.基礎アルゴリズムが固まったことにより,アルゴリズムの高速化とデジタルハードウェア化の専門家である田向准教授と共に携帯端末向けの実装をブロック単位で行い,画質に加えて省電力性と実時間演算性に関する検討を行っている.アルゴリズムの一般性とシステムの実応用性という観点から総合的な評価を行った. これらを踏まえ,国際会議等での他研究の情報収集を確実に行い,オリジナル性の高い研究内容の構築を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
1.同時最適化によるパレットとコードブックの同時獲得 拡大画像のエッジ先鋭度及び,視認性を考慮した限定色画像の色表現性能を別個の最適化問題として定式化し,それぞれの最適化変数(具体的には,パレットの色情報とコードブックの低周波・高周波パターンの組み合わせ)の情報を共有しながら各問題を同時に最適化し,色表現性能に優れたパレットとエッジ先鋭度に優れた事前定義コードブックを個別に獲得する.また,パレットの最適化には事前定義コードブックが影響し,事前定義コードブックの最適化にはパレットの色情報が影響を及ぼすため,通常の最適化では解の収束が著しく困難である.そこで,研究により定式化したパレットと事前定義コードブックの関連性を基に,相補的な関係にある二つの最適化問題を同時最適化問題として定型化し,その最適解を効果的に同時・逐次探索していくための理論構築を検証する. 2.アルゴリズムの高速化とハードウェアアクセラレータの開発 研究で得られた限定色画像のパレットと拡大アルゴリズムのための事前定義コードブックは,色数や諧調数の限られた携帯端末での利用を目的としているため,まずアルゴリズムの高速化を行うことで,非力な端末での実時間性を向上させる.次に,携帯端末のSystem on Chipに搭載されているGraphic Processor Unitや再構成可能領域などを用いたハードウェアアクセラレータを開発する.画質に加え演算速度と電力に関する検討を行い,提案アルゴリズムの携帯端末上での有効性を示すとともに,システムとしての実応用性を総合的に評価する. 3.研究のまとめ 異なる目的関数の同時最適化に基づく任意解像度画像生成アルゴリズムとして国際会議等で発表する.
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