研究実績の概要 |
研究代表者側では,重い物体を操作する際のヒューマノイドロボットの動作を生成する手法の構築に引き続き取り組み,前年度の研究を補強する方法を提案した.具体的には, 1. 一回の到達動作を対象とした全身動作生成の高速解法を,連続的に入力される到達動作に対し適用可能にできるよう拡張する方法を提案した.また,2. 押し動作においてロボットが想定する物理パラメータと異なる物体操作に対するロボットの振る舞いを具体的に検証し,手法の有用性について改めて検証した.本年度は国際論文誌へ投稿を目標とし,1. に関してはRobomech Journalへ採録が決定した.手法2.に関しては査読中の状態である.また,国内会議で1件発表した. 連携研究者側では,シンボルレベルでのスキル表現とロボットの制御信号レベルでのダイナミクスを合わせてモデル化・学習する方法,さらにそのダイナミクス表現に,不確かさを含む表現形を導入し,強化学習手法として確立した.本研究で題材としたタスクである物押しタスクにおいて,対象物の情報(位置)に不確かさがある場合でもスキルのパラメータ最適化が行えることを確認した.不確かさが単純なガウス分布だけでなく,混合ガウス分布として表されるような場合にも,提案手法の応用によって扱えることを示し,物押しタスクで確認した.さらに,提案手法を隠れ変数の推定にも応用できることを確認した。国内会議で成果の一部を紹介し,一連の成果を国際誌に投稿予定である.
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