研究課題/領域番号 |
16K12503
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
王 碩玉 高知工科大学, システム工学群, 教授 (90250951)
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研究分担者 |
石田 健司 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (10274367)
永野 靖典 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (30380372)
姜 銀来 電気通信大学, 脳・医工学研究センター, 准教授 (70508340)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 介護ロボット / 寝たきり障碍者 / 曖昧な概念 / 空間的分解能 / 距離型図形推論法 / NIRS / 生活支援ロボット / 意思疎通 |
研究実績の概要 |
最終年度では,基礎アルゴリズムの改善だけではなく,意思疎通の困難者を介護するロボットに実装して,実証実験も行った.まずは,知識半径という概念を推論アルゴリズムに導入することにより,基礎アルゴリズムを,より多様な脳活動特性の表現に改善した.次に,意思疎通の困難者を支援するロボットに実装して,実介護環境にて実証実験により有用性を示した.さらに,ALS患者も含めて言語による意思疎通の困難者を対象として,意思伝達用色模様を開発し,介護ロボットによる認識実験により,有効性を示した.以下に,全体の成果を纏める. (1)距離型図形推論法および補間多項式に基づいて,NIRSの空間的分解能と時間的分解能を向上させることができることを明らかにした.また,識半径という概念を導入して,知識ベースの選択性が増え,より多様な脳活動特性の表現に成功した. (2)タスクとしては,生理的な曖昧な概念と空間的曖昧な概念に分けて,計測試験を行った.生理的な曖昧な概念である(“熱い”,“温かい”,“痛い”)に対して,体性感覚野と体性感覚聨合野を測定し,室温変化とヘモグロビン濃度変化との関連性を発見した.空間的曖昧な概念である(”前方”,”左方”,”右方”)に対して,体性感覚野に一次運動野と前頭聨合野も同時測定し,ウェーブレット変換により特徴抽出を行い,認識率を向上させることができた.さらに,局所的温度感覚と心の動きとの関係については,一次運動野や体性感覚野に近い前頭葉の計測結果と,POMS2テスト結果を比較して,昨年度の成果に示すように,有益な結果を得られた. (3)介護ロボットの安全制御アルゴリズムを開発し,言語による意思疎通の困難者を対象として,“お腹が空いた”との生理的な要求に対して,ビスケット(最適解)や牛乳(准最適解)を探して,要介護者の手元に届くとの一連の動作を実現した.
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