研究課題/領域番号 |
16K12505
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研究機関 | 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 |
研究代表者 |
塩見 昌裕 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 室長 (90455577)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ヒューマンロボットインタラクション / 授乳支援 |
研究実績の概要 |
授乳支援におけるリーチング動作を設計するために,ロボットアームの動作制御システムの開発を進めた.基本的な動作制御システムの構築はほぼ終えたものの,各種センサの認識処理部分との結合において若干の遅れが出ている.一方,H29年度から取り組む予定だった授乳を観測する第三者に不安を与えない社会的振る舞いの実現については,既に予備的な検討を進めるとともに,ロボットが授乳を行うことで人々にどのような印象を与えうるかを検証するための予備実験を実施することが出来た.具体的には,乳幼児のマネキンとロボットを利用して授乳シーンを再現し,その様子を乳幼児の親に観察してもらった後,アンケートによる評価を行った.その結果,単なるロボットアームのみを用いて授乳支援を行う場合より,人型のロボットが授乳支援を行う方が社会的受容性が高くなることが明らかになった.これらの成果を踏まえ,授乳を観測する第三者に不安を与えない社会的振る舞いを実装するにあたって,授乳支援を行うロボットの見た目の擬人性を高めるアプローチや,授乳支援時におけるリーチング動作中における視線動作などを考慮して行うこととする. また,発展的な研究として,乳幼児の保育支援を行うロボットシステムの開発を進め,その評価を進めている.乳幼児とのインタラクション支援を目的としたテレプレゼンスロボットの社会的受容性や,複数のロボットを組み合わせて保育支援を行うためのアプリケーション開発を進めている.これらの成果を,人とエージェントのインタラクションに関する国際会議HAI2016や,ロボット学会の全国大会で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
授乳動作におけるリーチング動作の実現に利用するロボットのシステム開発に若干の遅れが発生しているため,H29年度はリーチング動作の開発に注力する.一方,H29年度から取り組む予定だった授乳を観測する第三者に不安を与えない社会的振る舞いの実現においては,当初の計画を超えてH28年度中に予備的な実験を実施するなど,当初の計画以上に進展しており,全体としては順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
授乳動作におけるリーチング動作技術の実現に注力するとともに,開発した技術を用いて授乳を観測する第三者に不安を与えない社会的振る舞いの実現を進める.
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