本研究は、自己完結したロボットではなく、むしろ能力の不十分な〈弱いロボット〉が子どもたちの積極的な関わりやアシストを引き出すことを生かして、この関わりの中で子どもたちの学びを促すような〈関係発達論的な学びの場〉をデザインし構築する手法の確立を目指すものである。 本年度は、高齢者の記憶を刺激したり、他の人と共同想起を楽しむだけではなく、高齢者がその共同想起に貢献することで自己肯定感を高めるなど、他をケアすることで自らがケアされるような関係性を生み出す可能性について検討した。これらの内容を〈関係論的なケア〉や〈受け身のケア〉などの概念として整理し、日本認知症ケア学会の教育講演、シンポジウムで講演を行った。また、最終年度であることから、研究成果をまとめ、学会発表や論文投稿を行った。 具体的には、本研究成果の一部である〈トーキング・アリー〉に関する論文がヒューマンインタフェース学会論文誌に採択・掲載され、第19回ヒューマンインタフェース学会論文賞を受賞した。また、言葉足らずな発話によって聞き手の助け舟を引き出しながら協調的インタラクションを実現する試みに関する研究成果をHAI2018で発表した。この成果をまとめた論文がヒューマンインタフェース学会論文誌に採択・掲載された。 本研究で構築してきた、昔ばなしを語り聞かせる際に、ときどき物忘れをしてしまうロボット〈トーキング・ボーンズ〉をエンタテインメントコンピューティングシンポジウム(EC2018)でデモ発表を行い、EC2018 Unity賞を受賞した。
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