研究課題/領域番号 |
16K12532
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
馬 強 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (30415856)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 観光情報学2.0 / UGCマイニング / GIS / 観光価値 / ユーザ分析 / POI |
研究実績の概要 |
観光立国の早期実現に必要な4千万人(2020年)の外国人観光客の獲得に向けて,多種多様な観光資源の発掘が重要であります.そのため,本研究では,地理情報付きFlickr上の写真データなどのUGC(ユーザ生成コンテンツ)を利用して,まだよく知られていないが観光価値の高い穴場スポットを発見する基盤技術について研究開発を行っています. 平成29年度では,初年度の成果を踏まえて,以下の内容について研究開発を行い,人工知能のトップカンファレンスIJCAI2017をはじめ,国際論文誌1本,査読付き国際会議論文5本,国内会議9本(その内,招待講演1本)の研究発表を行いました. (1) オブジェクト指向の景観価値評価手法の研究開発.景観価値を自然景観,人文景観に分けて評価する手法について研究開発を行っています.オブジェクトベースの自然景観評価手法は,28年度に開発した画像低レベル特徴手法より高い精度を得られたことを確認できました.また,人文景観を自動評価するため,オブジェクトを自動的に検出できる,ノイズの多いSNSのデータでも高精度に処理できるロバストな手法の研究開発を行っています.また,30年度に深層学習を利活用した景観価値の画像特徴量自動抽出するための,効率的なデータセットの作成手法について研究開発を行っています. (2) ユーザの移動パターンを分析して,スポット間の関係を分析する手法について研究開発を行っています.ユーザの熟知度の判定精度が平均で0.833に達成しました.ユーザの移動履歴データを対象に,地域の特徴及び地域間の関係を分析する手法は,従来手法と比べてパフォーマンスを10ポイント以上向上させましたことを確認しました.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成29年度では,初年度の成果を踏まえて,以下の内容について研究開発を行い,人工知能のトップカンファレンスIJCAIをはじめ,国際論文誌1本,査読付き国際会議論5本,国内会議9本(そのうち,招待講演1本)の研究発表を行いました.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度では,今までの成果を踏まえて,以下の項目について研究開発を推進していきたいと思います. (1)景観価値評価手法:データセットを整備して,深層学習を利用した手法について検討し,景観価値を高精度に評価する手法について研究開発を行います.データセットの整備は,深層学習に利用する学習データと手法を評価するための正解データの作成に分けて,クラウドソーシングを利活用して行う予定です.景観価値の自動評価は,景観地を分類して,それぞれのタイプの景観の特徴量を深層学習の技術を利用して,自動的に発見して評価に活かす手法を中心に研究開発を進めたいと思います. (2)ユーザの行動特徴,地域の特徴を統合的に分析し,それを結果を活かした利用シーン,例えば,スポットの探索やルート推薦などについて検討していく予定です.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に開催された国際会議に発表する予定になったため.
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