研究課題/領域番号 |
16K12535
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
高間 康史 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (20313364)
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研究分担者 |
服部 俊一 一般財団法人電力中央研究所, エネルギーイノベーション創発センター, 主任研究員 (00771916)
小野田 崇 青山学院大学, 理工学部, 教授 (40371661)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 推薦システム / 価値観 / 健康増進 / 観光 |
研究実績の概要 |
本研究は,ユーザの価値案をモデル化する手法を確立し,情報推薦の適用範囲を広げることを目的とする.平成29年度は,(1) 行列ベースの推薦手法,(2) 健康増進を対象とした情報推薦に関する研究,(3) 観光を対象とした情報推薦に関する研究を進めた. (1) については,申請者らが提案している評価一致率を用いてユーザ行列,アイテム行列を生成し,これに属性間の対応を表現する行列を組み合わせることでアイテムの予測スコアを求める手法を提案した.複数のデータセットを用いた評価実験の結果,人気アイテムに対する推薦バイアスが他の手法よりも少ないことを示した.また,属性間の対応を評価値行列から求める手法についても研究を進め,得られた行列の解釈可能性についても検討を行った. (2) については,健康増進のためのウォーキングを対象とした推薦システムの研究を行った.経路推薦の他,ユーザの価値観を考慮した推薦説明についての研究も行った.この他,健康を考慮したレシピ推薦についての研究にも着手した.具体的には,栄養などに関して指定された条件を満たしつつ,調理手順や必要な食材など,作り方に関する点で多様なレシピを推薦する手法について検討を進めた.また,スマートメータなどから取得可能な電力データから,居住者の行動を推定する技術についても研究を進めた. (3) については,観光スポットに関する口コミ情報を分析し,ユーザの気分に応じた観光スポットを推薦するシステムについて研究を進めた.このシステムは国際会議で発表学生がBest Presentation Awardを受賞している.この他,スポットだけでなく経路情報も統一的に考慮可能な観光経路推薦手法の研究にも着手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
行動推薦に関して,利用可能なデータや実験方法について検討すべき課題は残っているものの,当初にない新たな推薦手法を提案し,有効性を示すことができるなど,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
価値観の工学的モデリング手法を活用した情報推薦手法について研究を進めるほか,HEMSや健康増進,観光などの問題に貢献する行動推薦手法についての研究も継続して進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 発表を行った国際会議が国内開催のものが多かった他,今年度の研究に使用した計算機環境及びデータセットなどについてはこれまでのものが利用できたため,次年度以降のデータ収集や計算機環境の整備に回した方が研究計画上好ましいと判断したため. (使用計画) 学会発表のための旅費を含む費用の他,計算機環境の整備,データ整理,実験補助などのための人件費として主に使用する.
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