本研究は2014年に我が国で発生した「歴史的」誤報事件とその社会的反響を受けて、「誤報」現象をメディア史的に解明すべく計画された。また、2016年のイギリスのEU離脱国民投票やアメリカのトランプ大統領当選などとともに流行語となった「ポスト真実」をメディア史的に再検討した。その成果を佐藤卓己『流言のメディア史』(岩波書店・2019年)にまとめた。その序章では「フェイク・ニュース」が19世紀後半以後の歴史的課題であったことを示し、終章ではAI時代を展望しつつ「あいまい情報」に耐えるリテラシーへの提言を行った。
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