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2016 年度 実施状況報告書

ペン型デバイスによる学習者の筆記行動取得と理解度のモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 16K12557
研究機関大阪大学

研究代表者

伊藤 雄一  大阪大学, 情報科学研究科, 招へい准教授 (40359857)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード学習支援システム / ヒューマンインタフェース / ペン型デバイス
研究実績の概要

学習現場において,学習者のノートの筆記量とテストの得点,すなわち理解度には相関があるといわれている.一方で,学習はペンを用いてノートに板書したり,問題に解答することがほとんどであり,ペンは学習とは切り離せない道具となっている.本課題では,筆記量や筆記速度といった筆記行動をセンシング可能なペン型デバイスを実装し,実際の教育現場に適用することで,筆記行動と理解度の関係を,期末テストなどの長期的視点と,授業中の小テストなどの短期的視点から定量的に明らかにすることで,ペン型デバイスを用いた理解度評価手法を確立することを目的とする.
本年度は主にペン型デバイスの実装に注力した.まず,ペンによって取得するべき筆記行動として,既存研究で理解度と相関があるとされている筆記量を取得するために,ペンを把持する指先にかかる圧力を測定する方法を検討した.ペンは一般的に親指,人差し指,中指の3本で把持され,その際にペン軸に圧力がかかる.ペン先を動かすことでユーザは筆記するが,そのためにはこれら3本の指から連続的に適当な力をペン軸にかける必要がある.つまり,3本の指からペン軸にかかる圧力の時系列変化を取得できれば,どのような方向にペン先を動かしているのか,さらに圧力の大きさによって,ペンが紙に接触しているのかどうかを判定できる.
実際に3本の指とペン軸との接触点に3つの圧力センサを配置し,その圧力時系列変化と,文章記載時のユーザの筆記行動を比較する実験を行った結果,ペンと紙面の接触状況に応じて,親指と人差し指の圧力が変化することが分かった.さらに,紙面との非接触時間を文字記載時の文字間時間と一文字記載時のストローク間時間に弁別し,文字間時間の発生回数を計測することで文字数の計測が可能となる.文字間時間とストローク間時間には強い相関があり,単回帰式を用いることで,これらを弁別できることも確認できた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究課題では,当初様々なセンサーを用いて筆記状況の取得を目指し,本年度は特に,どのセンサーが最適化を検討するにとどまる予定であった.しかしながら研究の進捗が当初より早く,概要で述べた通り圧力センサを複数用いることで筆記状況の取得が可能であることが判明したため.

今後の研究の推進方策

圧力センサは普及の進んだデバイスであり,コストもかからないため,ペン型デバイスを複数制作はそこまで困難ではない.そこで今後,ペン型デバイスを多数作成し,予備校などの協力を得て,実際の教育現場において使用したデータを取得し,そのデータを解析することで理解度推定のための数理モデル構築を図る.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] ペン把持力のセンシングによる筆記量推定手法2016

    • 著者名/発表者名
      山下真由, 伊藤雄一, 高嶋和毅, 尾上孝雄
    • 雑誌名

      ヒューマンインタフェース学会研究報告集

      巻: 18-5 ページ: 3-8

  • [産業財産権] 筆記装置およびコンピュータプログラム2016

    • 発明者名
      伊藤雄一
    • 権利者名
      伊藤雄一
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2016-135917
    • 出願年月日
      2016-07-08

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公開日: 2018-01-16  

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