研究課題/領域番号 |
16K12562
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南部 陽介 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50582392)
|
研究分担者 |
三浦 政司 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80623537)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | システム思考 / モデリング / 課題実践型教育 |
研究実績の概要 |
本研究は,その重要性が認識されつつも,学習内容として扱われる機会が極めて限定的であるシステム思考の学習支援システムを構築することを目指しており,申請者らが開発したシステムモデリングツールを利用する.下記を研究目標としている. (1) リレーショングラフ表現による要素間の関係性に対する視認性の定量的評価をすること (2) システムモデリングツールを用いた演習やPBL(Project-based Learning)を通じたシステム思考の学習効果の測定すること
平成28年度は,大学・大学院の授業において,学習支援システムのプロトタイプを用いて,システム思考を題材とした演習を実施した.演習の要求分析の過程を観察し,また演習の前後で受講者にアンケートを取ることにより,ボトルネックとなる部分が階層化と抽象度行き来であることが分かった.本年度のフィードバックを元に,モデリングに対するマインドセット育成やより具体的な要求分析のプロセスを追加するなどの改善を教材に施し,次年度に活用することとした.さらに,受講者から要望を集め,学習支援システムのユーザーインターフェースを改善した. また,学習支援システム操作時のユーザーの眼電位や頭の動きをウェアラブルデバイスを用いて計測する実験系の構築を行い,基礎的なデータの取得を行った.その結果,画面操作時には,眼電位よりも角速度や加速度が大きく変化していることが分かり,今後の研究アプローチに変更が必要であることが分かった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
システムモデリングツールを用いた演習やPBL(Project-based Learning)を通じたシステム思考の学習効果の測定することについては,プレ・ポストアンケートや受講者が作成したシステムモデルの質の評価などが実施できており,またその結果をシステムモデリングツールにフィードバックして改善も行えているため,進捗状況は非常に良好である. 一方で,リレーショングラフ表現による要素間の関係性に対する視認性の定量的評価をすることについては,当初期待していた視線移動単体では十分に評価できないことが分かり,頭部の加速度や角速度を含めて総合的に評価する必要性が出てきた.難易度が向上したため,今後の活動については遅延が予想される.
|
今後の研究の推進方策 |
1. 改善した教材を用いて,システムモデリングツールを用いた演習やPBL(Project-based Learning)を実施し,引き続き学習効果を測定する. 2. リレーショングラフ表現による要素間の関係性に対する視認性の定量的評価に向けて,視線移動に加えて,頭部の加速度や角速度を含めた評価指標の構築を行う. 3. 国内外の学会等で成果を発表する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際会議の発表時期が次年度にずれたため,旅費相当分が次年度使用額に計上された.
|
次年度使用額の使用計画 |
7月および9月に国際会議に参加し成果発表を行う.
|