研究課題/領域番号 |
16K12563
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
小尻 智子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (40362298)
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研究分担者 |
瀬田 和久 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (50304051)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アナリティカルスキル / 試行錯誤環境 / センサ・デバイス / 可視化 |
研究実績の概要 |
アナリティカルスキルとは,データに対して適切な統計処理を行い,有用な知見を引き出して活用する能力のことである.本研究課題では,様々なセンサ・デバイスにより取得されたデータを対象に,アナリティカルスキルの育成に有効な試行錯誤方法およびその支援環境を構築し,有効性を明らかにする.2016年度は,以下の2つを実施した. 1.芸術作品を構成するパラメータを対象に,パラメータを試行錯誤的に変更して芸術作品を作成できる環境を構築した.この環境を用いた芸術創造活動の結果,パラメータを試行錯誤的に変更する段階と,試行錯誤して得た作品を見比べる段階で,自身の芸術作品に対する嗜好を発見できることが明らかになった. 2.センサ・デバイスから,面接時の被面接者の非言語情報を取得する環境を構築した.非言語情報として,表情・視線・バイタルデータ・間投詞・沈黙を対象とした.表情と視線は,小型カメラを用いて取得したデータに対して表情認識技術と顔の向きと表情認識技術を適用した.バイタルデータは脈拍計測装置を,間投詞・沈黙はマイクと音声認識技術を活用した. 3.センサ・デバイスから取得できる情報に対して,有効な知見を引き出すための可視化方法について検証した.生体情報の一つとして,視線情報を対象とし,文章の執筆者と添削者の視線情報を様々な可視化方法を用いて表示した.その結果,両者の相違の可視化により,執筆者が添削者の意図を推測できる可能性があることが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り,センサ・デバイスからのデータの取得と,試行錯誤環境を構築することができた.
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今後の研究の推進方策 |
2016年度はセンサ・デバイスによるデータの取得と,データを試行錯誤できる環境を構築した.また,有効な可視化手法に関する検討も行った. 2017年度は,これらを統合してセンサ・デバイスによるデータを錯誤できる環境と,有効な可視化手法を導入した支援機能を構築する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
成果報告のためにもう一つ国際会議に参加する予定をしていたが,開催場所の安全性に関して不安があったため,参加を見合わせた.そのため,旅費を当初の計画通り支出することができなかった. また,実験を実施するためにセンサ・デバイスやパソコンを購入する予定であったが,2016年度は他の研究で用いた機材を用いることができたため,当初予定していた物品の購入は行わなかった. 実験のデータの分析に関してアルバイトを雇う予定であったが,申請者の研究チームで分析したため,謝金を支払わなかった.
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度参加を見合わせた国際会議で発表する予定だった成果は,今年度に開催される国際会議で実施する予定である. 2017年度の実験の際には他の研究で用いた機材を使うことができないため,本研究のために購入する予定である. 人件費・謝金は,今年度実施する実験で用いる予定である.
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