研究課題/領域番号 |
16K12570
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 馨 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (70215531)
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研究分担者 |
尾張 敏章 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00292003)
藤稿 亜矢子 東洋大学, 国際観光学部, 准教授 (20732754)
佐藤 克文 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (50300695)
藤原 章雄 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60292794)
小林 博樹 東京大学, 空間情報科学研究センター, 講師 (60610649)
中村 和彦 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任研究員 (70707075)
中山 雅哉 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (90217943)
坂上 大翼 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90313080)
藤枝 俊輔 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (90420231)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サイバーフォレスト / ライブ音 / ライブモニタリング / オープンマイク / 原生自然 / 国際 / エンターテインメント |
研究実績の概要 |
有人ライブ配信試験について、2016年10月17日に東大北海道演習林前山保存林内から衛星ネットワーク経由で東大柏キャンパスFSホールに配信実験講義を行った。2017年2月12日には北海道演習林山部林からLTE回線経由で前述ホールでのシンポジウムにライブ講義を行った。その際、ネットワークの最適化、映像機材の組み合わせと運用方法、生態情報の解説内容について、特に圧倒的原生自然のライブ配信に最適な有人ライブ配信方法と、原生自然を対象にエンターテイメント性の高い専門的な解説内容とその方法について検討し知見を得た。 国際連携の構築では、世界各地の早朝生態音ライブ音を使った芸術活動グループのMr. Grant Smith(SoundCamp, London UK)と、世界中のオープンマイクネットワークを構築しているProf. Peter Sinclair (Locus Sonus Sound Laboratory, The Aix-en-Provence Academy of Art FR)とを訪問し、それぞれライブ配信に関する共同セミナーを開催した。この中で圧倒的原生自然のライブ配信についての、芸術的視点からの国際的エンターテイメント価値についての情報交換と議論を行った。 さらに原生自然地の生態音の価値について、フランス・カルチエ財団現代美術館(Fondation Cartier pour l'art contemporain) でのサウンドスケープ生態学の提唱者Dr Bernie Krause の展示 《Le Grand Orchestre des animaux》を、学芸員のM. Thomas Delamarre の解により見学し、知見を深め、情報交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.圧倒的原生自然地からの有人ライブ配信について、実験と本番を含めて2度実施し、検証評価と実証データの蓄積できたこと。 2.国際連携研究として、リアルタイムの早朝生態音を素材にした芸術活動をしているSoundCamp(イギリス)と、世界中のオープンマイク(ライブ音配信マイク)のネットワーク構築を進め、その音源を芸術的に活用研究を進めるLocusuSonus 研究室(フランス)を訪れ、本研究に関するセミナーを開催し、情報交換と評価を進めることができた。 3.過去40年以上に渡り原生自然地での有人録音アーカイブを作成したバーニー・クラウスの半年にわたる企画展示「The great animal orchestra」を本人の紹介により、現地学芸員による詳細な説明を受けながら見学し、原生自然音のエンターテインメントと芸術としての価値について知見を得、情報交換進める事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
原生自然地のライブ配信とアーカイブについて、国内ではそのサイエンスや学術的な価値が求められるのに対して、ヨーロッパでは2016年に訪問したMr. Grant Smith(UK)と、Prof. Peter Sinclair (FR)の活動が示すようにライブ音が芸術の素材として用いられている。アーカイブについては、アメリカのバーニー・クラウスがサウンドスケープ生態学としてニッチ仮説を提唱しているようにサイエンスの側面がある。これらの価値評価の相違についての解明を進めるために、引き続きDigital Nature ConservationとCitizen Science 研究を進めているDr. Rene van der Wal (University of Aberdeen, Aberdeen UK)を加えた国際的な連携の中での知見と情報を収集する。 ライブ音配信について、鳥類調査への連携と、これを使った国際イベントへの音源提供し、その価値実証を進める。 また、東京大学北海道演習林からのライブ配信講義についての実践を進め知見を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
圧倒的原生自然地ライブモニタリング2カ所ののうち北海道演習林システムメンテナンス作業が冬季は現地に到達できず、また無人島の船越大島は2016年8月末台風でのシステム喪失後秋以降上陸できないため次年度に繰り越さざるを得なくなった。また志賀自然教育園のグシステムも雪に埋もれた配線システムのメンテナンスが新年度5月以降に繰り越しとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
新年度、準備ができ次第順次執行する。
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