主要な大気汚染物質である一酸化炭素の動態探査技術として、レーザー分光法と緩和渦集積法を組み合わせた一酸化炭素フラックス計測法の開発に挑戦した。一酸化炭素は、都市大気であってもせいぜい数百ppb程度しか存在しないため、その実時間検出には半導体レーザーを用いた超高感度吸収分光法を採用した。そして、従来は二酸化炭素フラックスの計測に用いられてきた微気象学的手法の一つである緩和渦集積法を一酸化炭素用に改良し、レーザーシステムと連結した。この新しい手法の性能検証のため、大阪府立大(大阪府堺市)の研究棟の屋上で、野外大気の試験観測を行った。大都市における一酸化炭素フラックスの変動特性を初めて捉えた。
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